患者さまの情報
管理番号 | 65 |
---|---|
年齢 | 10歳 |
性別 | 男性 |
ご住所 | 茨城県石岡市 |
主訴 |
上の前歯が生えてこない。隙間が空いている。 |
診断名 |
上顎右側第2乳臼歯骨性癒着 上顎右側第2小臼歯埋伏 叢生 |
治療について
使用した装置 |
|
---|---|
抜歯部位 |
非抜歯
|
治療期間 |
4年8か月間
(約48ヶ月)
|
治療費 |
630000円(精密検査料・診断料を除く。税別)
|
矯正治療の一般的なリスクはこちらをご覧ください。治療内容・期間・費用は患者さまの症状により異なります。
ドクターからのコメント
上顎右側第2乳臼歯が骨性癒着しているため隣接している上顎右側第1大臼歯が前方に傾斜してしまい、第2小臼歯萌出のためのスペースが不足しています。まず、マルチブラケット装置で第2小臼歯が萌出するためのスペースを確保し、骨性癒着している第2乳臼歯の抜歯と埋伏している第2小臼歯の開窓を口腔外科で施術してもらい、第2小臼歯の牽引を行いました。 事前に、埋伏歯の牽引を行う場合のリスク①骨性癒着により矯正力をかけても動かないことがあり、骨性癒着しているかどうかは矯正力を一定期間かけてみないと判断できません、②口腔内に牽引してくるまでに数年間かかることがあります、③口腔内に牽引できても歯や歯根の形態が不良(歯の形態不良、短根、根の弯曲など)であることがあります、④口腔内に牽引できても長期の使用に耐えないことがあります、⑤口腔内に牽引できても、牽引してきた歯と隣接しているの歯の歯肉レベルが調和しないことがありますについてご説明し、ご承諾をいただき埋伏歯の牽引を行いました。動的治療期間が長期化しましたが、良好な結果を得ることができました。
治療経過
初診時
初診時の状態です。







治療経過1
動的治療開始





治療経過2





治療経過5





治療後
動的治療終了。









治療前後まとめ
治療前







治療後









矯正歯科治療のリスク・副作用
- 最初は矯正装置による不快感、痛み等があります。数日間~1、2 週間で慣れることが多いです。
- 歯の動き方には個人差があります。そのため、予想された治療期間が延長する可能性があります。
- 装置の使用状況、顎間ゴムの使用状況、定期的な通院等、矯正治療には患者さんの協力が非常に重要であり、それらが治療結果や治療期間に影響します。
- 治療中は、装置が付いているため歯が磨きにくくなります。むし歯や歯周病のリスクが高まりますので、丁寧に磨いたり、定期的なメンテナンスを受けたりすることが重要です。また、歯が動くと隠れていたむし歯が見えるようになることもあります。
- 歯を動かすことにより歯根が吸収して短くなることがあります。また、歯ぐきがやせて下がることがあります。
- ごくまれに歯が骨と癒着していて歯が動かないことがあります。
- ごくまれに歯を動かすことで神経が障害を受けて壊死することがあります。
- 治療途中に金属等のアレルギー症状が出ることがあります。
- 治療中に「顎関節で音が鳴る、あごが痛い、口が開けにくい」などの顎関節症状が出ることがあります。
- 様々な問題により、当初予定した治療計画を変更する可能性があります。
- 歯の形を修正したり、咬み合わせの微調整を行ったりする可能性があります。
- 矯正装置を誤飲する可能性があります。
- 装置を外す時に、エナメル質に微小な亀裂が入る可能性や、かぶせ物(補綴物)の一部が破損する可能性があります。
- 装置が外れた後、保定装置を指示通り使用しないと後戻りが生じる可能性が高くなります。
- 装置が外れた後、現在の咬み合わせに合った状態のかぶせ物(補綴物)やむし歯の治療(修復物)などをやりなおす可能性があります。
- あごの成長発育によりかみ合わせや歯並びが変化する可能性があります。
- 治療後に親知らずが生えて、凸凹が生じる可能性があります。加齢や歯周病等により歯を支えている骨がやせるとかみ合わせや歯並びが変化することがあります。その場合、再治療等が必要になることがあります。
- 矯正歯科治療は、一度始めると元の状態に戻すことは難しくなります。
- 外科矯正治療の場合、下記のリスクがあります。
- 全身麻酔下での手術、そして入院が必要です。
- 手術後、出血や感染がおこることがあります。
- 手術後数か月間開口障害が生じます。
- まれに知覚鈍麻が残ることがあります。
- 顎離断術施術後約1年後に抜釘を行うために入院・手術が必要になります
- 歯科矯正用アンカースクリューを使用する場合、下記のリスクがあります
- まれに歯科矯正用アンカースクリューの破折・動揺・脱落が起こることがあります。このような場合、アンカースクリューの再埋入を行うことがあります。
- まれに歯科矯正用アンカースクリューの埋入により、歯科矯正用アンカースクリューと歯根が接触したり歯根損傷が起こることがあります。
- まれに歯科矯正用アンカースクリューの埋入により上顎洞や鼻腔に穿孔することがあります。
- まれに歯科矯正用アンカースクリュー周囲の歯肉に炎症が生じ、歯肉が発赤腫脹することがあります。
- まれに歯科矯正用アンカースクリューと口腔粘膜が接触し、口内炎ができることがあります。