外科矯正
- 装置だけの矯正治療では治らないかみ合わせも治療が可能
- 症例によっては治療期間を短縮することができる
- お口元や横顔などの審美的な部分も改善される
- 保険が適応されるので治療費がある程度低く抑えられる(適用条件あり)
- 2~3週間程度の入院を要し、手術には全身麻酔が必要となる。
- 入院前には検査のための通院も必要となる。
- 手術後は部分的な麻痺・痺れの出る可能性や、鼻の変形もある場合もある。
- 骨を固定するためのプレートを止めるビスを頬側から行う場合もあり、数ミリの切開が必要となる場合がある。(ほとんどわからない程度の傷です)
- 術後しばらくは、口があまり開かないため、少しの間は食生活に不都合を感じる場合もある
- 顎の手術を行った後半年から1年くらいに「プレート除去手術」のため、再度1週間程度の入院が必要となる場合がある。
- 顔が赤くなる。
- 汗をかきやすくなる。
- 体温が上がる。
- 食欲が増す。
- 吹き出物が出やすい。
- 生理が不安定になる。
- 胃潰瘍が出来やすい。 ※これらの副作用は全ての方に出るとは限りません。
- 更生育成医療を行うために必要な設備および体制を有している(セファログラムの所有)
- それぞれの医療の種類における専門科目について、適切な医療機関における研究従事年数が(歯科では)5年以上であること。
- 研究態様と口蓋裂の歯科矯正の臨床内容と関連が認められる。
- 矯正歯科を標榜している。※標榜:診療科目としてあげていること
- 関係学会(日本矯正歯科学会および日本口蓋裂学会に加入していること)
- 指定自立支援医療機関(育成・更生医療)であること
- 下顎運動検査、歯科矯正セファログラムおよび咀嚼筋筋電図検査が行える機器を備えていること
- 専任の常勤歯科医師及び専従する常勤看護婦又は歯科衛生士がそれぞれ1名以上勤務していること
- 外科手術を担当する医療機関と矯正治療を担当する医療機関との連携がとれていること
- 唇顎口蓋裂
- ゴールデンハー症候群(鰓弓異常症を含む。)
- 鎖骨・頭蓋骨異形成
- トリチャーコリンズ症候群
- ピエールロバン症候群
- ダウン症候群
- ラッセルシルバー症候群
- ターナー症候群
- ベックウィズ・ヴィードマン症候群
- ロンベルグ症候群
- 先天性ミオパチー(先天性筋ジストロフィーを含む。)
- 顔面半側肥大症
- エリス・ヴァン・クレベルド症候群
- 軟骨形成不全症
- 外胚葉異形成症
- 神経線維腫症
- 基底細胞母斑症候群
- ヌーナン症候群
- マルファン症候群
- プラダーウィリー症候群
- 顔面裂
- 大理石骨病
- 色素失調症
- 口‐顔‐指症候群
- メービウス症候群
- カブキ症候群
- クリッペル・トレノーネイ・ウェーバー症候群
- ウィリアムズ症候群
- ビンダー症候群
- スティックラー症候群
- 小舌症
- 頭蓋骨癒合症(クルーゾン症候群、尖頭合指症を含む。)
- 骨形成不全症
- 口笛顔貌症候群
- ルビンスタイン-ティビ症候群
- 常染色体欠失症候群
- ラーセン症候群
- 濃化異骨症
- 6歯以上の先天性部分(性)無歯症
- チャージ症候群
- マーシャル症候群
- 成長ホルモン分泌不全性低身長症
- ポリエックス症候群
- リング18症候群
- リンパ管腫
- 全前脳(胞)症
- クラインフェルター症候群
- 偽性低アルドステロン症(ゴードン症候群)
- ソトス症候群
- グリコサミノグリカン代謝障害(ムコ多糖症)
外科矯正とは
外科手術と矯正治療を併用する治療方法です。
骨格的な問題により不正咬合が生じている場合は、矯正装置による治療のみでは改善が困難なため、通常の矯正歯科治療に加えて、あごの外科手術を併用して治療をします。外科矯正を行うことで、歯並びだけではなく、お口元や横顔などの審美的な部分も改善されるなど、得られるメリットは非常に大きな反面、手術を伴いますので、その分リスクもあります。
手術を受けてから「知らなかった」「聞いてなかった」などと言わないためにも、どんな些細なことでも、先生に質問することが大切です。
顎変形症の患者さんが対象となります
極端な受け口や出っ歯などで、顔貌や咬み合わせの異常を起こしている状態を「顎変形症」といいます。
顎変形症患者さんは上下の顎の位置に大きなズレがあるため、その土台となっている顎の位置がズレたまま、歯並びだけをむりやり治してしまうと、歯や歯茎に大きな負担がかかってしまうことになります。
そこで、矯正治療と同時に外科手術を行い、あごの位置を調整することにより、噛み合わせ、歯並び、顔貌を改善していきます。
保険適用が可能です
当院は、厚生労働省より「指定自立支援医療機関(育成・更生医療)、顎口腔機能診断施設・歯科矯正診断施設」として指定を受けておりますので、保険適応での外科矯正治療が可能です。
他院で断られてしまった難しい症例でも安心してご相談ください。
後遺症について
外科的手術を受けるにあたって、「後遺症」について知っておくことはとても大事なことです。どんな手術にせよ、術後にまったく後遺症がないとは言い切れません。
顎の手術の場合の後遺症としてあげられるのは、「麻痺・痺れ」「鼻の変形」「耳鳴り・耳痛」などです。ただ、すべての人にこの後遺症が現れるわけではありません。
麻痺・痺れについて
手術によって、多少の知覚障害の出る方がいます。下顎の場合は下唇、上顎の場合は上唇の感覚が鈍くなったりビリビリした感じになります。顔の筋肉などを動かす顔面神経を損傷することはまずないので、顔の筋肉が動かなくなるようなことはありません。
もし、このような後遺症が出た場合は、「びたみんB12」を服用します。また、「ステロイド(副腎皮質ホルモン)」を服用する場合もあります。
この「ステロイド(副腎皮質ホルモン)」という薬は、細胞代謝を活発にして神経の再生をする作用がありますが、次のような副作用もあります。
この「麻痺・痺れ」は、薬を服用したからといって、すぐ治る、なくなるわけではありません。 ゆっくり回復していきますので、気長に待ちましょう。
ただ、数年経っても完全によくならない方もいますが、普段の生活にはまったく支障はないということです。
鼻の変形について
上顎骨の手術では、鼻翼の部分の骨が移動するため鼻翼も移動しますが、鼻骨の部分(鼻の付け根)は動かないので、結果として形態に変化が出ます。
特に、上顎骨を前方に移動させると鼻翼が広がり鼻尖が上を向く傾向が出てしまいます。それを防止するような術式もいろいろと報告されています。また、プレート除去時にも、ある程度は修正が可能です。
耳鳴り・耳痛について
「耳鳴り」「耳痛」に関してはわりとよく起こることで、上顎を切った方の8割位の方が術後に訴えているそうです。 (ちなみに下顎のみ切った方はまれだそうです。)
きちんとした原因はまだ解明されていないようですが、 おそらく術後の炎症反応が広がったために「耳鳴り」「耳痛」が起こると考えられているようです。
特に上顎を切った場合、その部位に耳管という鼻と耳を交通する管があって、上顎の術後の炎症が耳管を通って耳に波及するらしいのです。 ただ、上顎の炎症が治まってくるのと同時に耳の痛み(炎症)も治まってくるとのこと。まれに「耳鳴り」「耳痛」が残る方もいらっしゃって、そのような場合には、耳鼻科に行っていただくようです。
この「耳鳴り」「耳痛」に関しては先にもお話しましたが、はっきりとした原因がわからないのが現状で、今後の課題になっているようです。
矯正治療を保険適用で行うには、その治療を行う医院が下記の認定を受けている必要があります。
「健康保険の適応となる特定の疾患」について
下記の疾患に該当する場合は、保険を適用しての矯正治療が可能です。症状にお心当たりのある患者さんは、ぜひ一度当院までご相談ください。