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矯正治療中のスポーツについて【茨城県石岡市・石岡みらい矯正歯科】 (2025年10月9日)

こんにちは。石岡みらい矯正歯科です。

矯正治療を考えている中高生の中には、部活動を続けたいという思いがあってワイヤー矯正に踏み切れない方が少なくありません。特に運動部・吹奏楽部の方からよく聞く不安には、次のようなものがあります。

・口の中が切れる・頬・唇の内側を傷つけないか
硬いワイヤーやブラケット(特に先端部分)が粘膜を刺激し、打撲や接触で裂傷や擦過傷を起こすのではないか、という心配。

・矯正器具が壊れないか
スポーツ中の衝撃でワイヤー変形・ブラケット脱離などが起こり、治療計画が遅れてしまうのでは、という不安。

・運動により歯の痛み・装置の違和感の増えないか
激しい運動による影響や息遣いの変化、口の乾燥などが刺激因となって痛みや違和感が強くなるかもしれないという懸念。

・演奏・吹奏楽との相性
吹奏楽部では「金管楽器を吹けるか」「唇周囲にひっかからないか」「演奏までの慣れ期間は?」という質問がよく出ます。

・スポーツマウスガードとの併用できるのか(ラグビーなどのコンタクトスポーツ)
矯正器具をつけたまま、マウスガードは使えるの?呼吸しにくくならない?という疑問があります。

これらに関して、当院で考えていることをお伝えできればと思います。

まず、お伝えしたいこと

ワイヤー矯正の装置を装着することで、口の中などが傷つくリスクは増える傾向があります。しかし常に傷だらけという訳ではなく、一時的なもののように感じます。

きちんと対策を取ればほとんどの部活・スポーツは続けながら治療できる可能性があると業界では考えられています。心配な方はスポーツ用のマウスガードの使用をお薦めしています。

実際のリスク:怪我・破損・切傷

強い衝撃が口元に加わると、ワイヤー先端が粘膜を傷つける可能性があります。また、ブラケットが取れてしまったりワイヤーの折れたり、変形してしまった場合は、唇・頬・舌の裂傷や擦過傷を引き起こす原因となりえます。 

一方で、これらの問題は臨床経験的には、強い衝撃がかかりそうなコンタクトスポーツ(ラグビー、アメフト、格闘技など)と突発的なけがに限られる傾向があると思います。

マウスガードの併用

多くのスポーツでは、マウスガード併用により上記のリスクを大幅に軽減できるとされています。アメリカ矯正歯科医会(AAO)は、矯正患者には「矯正治療患者用のマウスガード」の使用を推奨しています。実際に日本でもいくつかのコンタクトスポーツでは、矯正治療のあるなしに関わらず、マウスガードが必要になります。

また、マウスガードそのものが矯正治療と歯の移動を妨げないかという懸念もありますが、通常は短時間・部分使用のため大きな影響は報告されていません。

マウスガードは市販の既製品とオーダーメードのものがありますが、きちんと歯面に合わせたオーダーメードタイプの方が効果があるとされています。

↑オーダーメードのものは石膏模型を作り、歯科技工士にて作成します

傷ついたとき・日常的な予防策について

当院では、以下の点を対応策としてお薦めしています。

コンタクトスポーツをする際はマウスガードの装着する
ワイヤー・ブラケットを想定して設計された専用ガードを使うことで、唇や頬の被害、器具破損のリスクを大きく下げられます。 

↑ラグビーでは必須とされています

一方で、マウスガードは慣れるまでは息苦しく感じたり、発声に影響が出るとされています。

保護用のワックスをあらかじめつけておく
事前に心配であれば、ワイヤーやブラケットの突起部をワックスで覆うことで粘膜接触を緩和できます。

↑矯正用の保護ワックス。尖って痛い部分に応急的に使用します

↑米粒くらいの量のワックスをとって、刺さって気になるところを保護します

口を乾燥させないようにする

口の中が乾燥していると粘膜が傷つきやすくなるという報告があります。水分をこまめにとって、カラカラの状態にしないようにしてみましょう。

日頃から口腔ケアをしっかりと行う
傷ができてしまった場合も、早めに粘膜が回復するように常に綺麗な口の中の環境を作っておくのが重要です。つまり装置周囲の丁寧な歯磨きとうがい薬の使用をお薦めします。

スケジュールの相談を担当医とする

特に治療が開始したばかりのワイヤーは細いものを使用しますので、変形のリスクがあります。合わせて、毎月の調整をした直後は歯が大きく動きますので、痛みやワイヤーがずれる可能性が上がることが考えられます。あらかじめ担当医と相談すると良いかもしれません。

傷ついたときの対応

粘膜が少し切れて出血がある場合:清潔なガーゼで軽く圧迫すると良いと思います。

ワイヤーが飛び出てしまった、ブラケットが取れてしまった場合:保護用のワックスでカバーをして担当の先生に相談します。当院は診療時間中であれば予約外でも対応いたします。

○傷口が治るまでは、口の中を綺麗にして、柔らかい食事に切り替えたり、刺激性食品(辛味・酸味など)回避すると良いと思います。また、舌で触ると刺激になるのと、粘膜の回復が遅くなりますので、触らないで清潔にしましょう。

○その他、大きく口の中が切れてしまって血が止まらない、顎を強くぶつけた場合は、歯科医院ではなく、歯科口腔外科がある総合病院にご連絡ください。歯が折れたり、抜けてしまった場合は、かかりつけ歯科医院や歯科口腔外科にご相談をしてください。

運動も音楽も、あなたの人生を豊かにする大切な時間です。矯正治療を始めたら、少しだけ「まずは安全策を取る」くらいの準備で大抵は大丈夫になります。

「もし装置が壊れても治せる」「マウスガードを使えば防げる」ことを知っていれば、不安はだんだん小さくなります。

あなたの理想の笑顔と、これから続く部活動・演奏活動を両立させられるよう全力でサポートしたいと思っています。ぜひ、相談してみてください。

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当院では石岡市をはじめ、土浦市・水戸市・つくば市・小美玉市・かすみがうら市・鉾田市・笠間市など、茨城県内のさまざまな地域から患者さまにご来院いただいております。日本矯正歯科学会認定医と日本専門医機構矯正歯科専門医が在籍しています。

電車・お車ともにアクセスしやすく、県内広域からのご相談も歓迎しております。

📍 石岡みらい矯正歯科

茨城県石岡市国府4-5-4

TEL:0299-24-4118

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List of probably useful references

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Chowdhury RU, et al. Useful Design of Custom-Made Mouthguard for Athletes With Ongoing Orthodontic Treatment. Europe PMC (2021).