LINEで予約 24時間Web予約

LINE初診相談

初診WEB予約

電話予約

妊娠中の矯正治療について【茨城県石岡市の矯正歯科医院・石岡みらい矯正歯科】 (2025年12月23日)

みなさま、こんにちは。石岡みらい矯正歯科・院長の丸岡です。

矯正治療を進めている途中で妊娠が分かることは珍しくありません。その際に多いご質問が、「矯正治療中に妊娠しても大丈夫ですか?」「レントゲンは撮れますか?」「痛み止めやお薬は飲めますか?」といった内容です。

結論から言うと、妊娠中でも、ほとんどの方が大きな問題なく矯正治療を継続できます。 ただし、妊娠中は体調が日によって変わりやすく、通常時と同じペースではなく、無理をしない工夫がとても大切です。

一方、この時期に矯正治療を開始するのは、レントゲン検査、投薬の問題、通院のご負担や口の中の環境の変化などから、慎重に検討した方が良いかもしれません。

今回は、妊娠中の矯正治療について、できないこと/注意点/よくあるQ&Aをまとめました。ご参考にしていただけますと幸いです。

 

矯正治療中に妊娠しても大丈夫でしょうか?

 

基本的には大丈夫です。矯正治療は「歯を少しずつ動かす」治療で、外科手術や強い薬剤を前提とするものではありません。

実際、妊娠中の歯科受診や処置(診査、クリーニング、必要な応急処置など)は、妊娠のどの時期でも安全に行えるという考え方が、ADA(米国歯科医師会)やACOG(米国産科婦人科学会)でも示されています。 

妊娠中の矯正治療で一番大事なのは、その日の体調に合わせて、無理なく通院していただくことです。

診療時間を短めにする

つらい日は調整を見送る(あるいは装置に異常がないかの、チェックだけでもOK)

体位(イスの角度)を工夫する

必要時は産婦人科主治医と連携する

このような対応で、安心して通院されている方が多いです。

 

↑ 体調がよろしければ、矯正治療自体は可能です。

 

 妊娠中に「できないこと/控えること」

 

レントゲン検査(歯科用X線)

 

欧米などでは、歯科用レントゲンは被ばく量が非常に少なく、適切に管理された環境での撮影は妊娠中でも安全とされています。しかし、本邦ではまだ慣習的に妊娠中のレントゲンは可能な限り避ける風潮があります。 

緊急性が低い「経過確認目的の撮影」は、この時期は避けます。

一方で、一般歯科や口腔外科領域では、強い痛み・腫れ・外傷などの診断に必要な撮影は、遅らせることで不利益が大きくなる場合があるため、適切に実施するようです(当院では行いません。)

矯正治療では、治療前の検査と経過確認時にレントゲン検査を行います。つまり、この時期に矯正治療を始める希望がある場合は、慎重に検討する必要があります。

 

投薬(痛み止め/抗菌薬など)について

 

矯正治療では基本的に「常用薬」は不要ですが、以下のようなケースがあります。

ワイヤー調整後の痛み

口内炎

歯ぐきの腫れ

抜歯後の鎮痛(※産科主治医とも相談)

一般論として、妊娠中の鎮痛薬はアセトアミノフェンが第一選択として扱われることが多く、NSAIDs(イブプロフェン等)は妊娠後期に注意が必要とされます(服薬は必ず主治医・薬剤師にも確認を)。 

抗菌薬も、妊娠中に比較的使用されるもの/避けるものがあります(例:テトラサイクリン系は避ける等)。 矯正治療では、治療の初期に、抜歯を行ったりします。その際に、鎮痛薬が飲めないのが、難点になります。

 

妊娠中の口の中の注意事項

 

妊娠中はホルモン変化の影響で、口の中が普段と変わりやすい時期です。矯正中は装置がプラーク(汚れ)の停滞要因になりやすいため、「妊娠による変化」+「矯正装置」が重なると、歯肉が腫れやすくなることがあります。 

 

↑ プラークが残りやすいため、歯ブラシが重要です。

 

妊娠中に起こりやすい口腔内の変化

 

妊娠性歯肉炎:出血しやすい、腫れやすい状況になります

つわり:歯磨きがつらい、嘔吐で酸蝕(歯が酸にさらされる)リスクが上がります

食生活の変化:間食回数が増えやすいため、むし歯のリスクが上がる

口の渇き:唾液量や性状の変化で違和感が出ることがあります

 

妊娠中の矯正通院で大切なこと

 

・体調が良い時間帯(午前中など)に予約をいただく

・診療時間は短めに(長時間同じ姿勢を避ける)

・イスを倒しすぎない/左側に少し傾ける

・「今日はしんどい」は遠慮なくお伝えいただくようにお話しする

 

↑ 体調が悪い日は、無理せずに

 

つわりで歯磨きがつらいときの現実的な対策

 

妊娠中は完璧を目指すより、できる範囲で回数と質を落としすぎないのがコツです。

・歯ブラシが無理なら、まずはうがい(水・フッ素洗口など)

・どうしても磨けない時間帯は、「磨けるタイミングにまとめて丁寧に」

・嘔吐後はすぐゴシゴシ磨かず、まずはうがい→落ち着いてから優しく

・矯正装置が当たる口内炎には、ワックスなどで対応(当院でもお渡しします)

 

↑ 歯ブラシが難しい場合は、うがいをまめにしてみましょう。

 

Q & A

Q.「妊娠中に矯正を始めても大丈夫?」

A. 可能ではございますが、矯正学的検査(レントゲン・口腔内写真・型取りなど)の必要性や通院のこと考えると、慎重に検討した方が良いと考えています。

 

Q.「ワイヤーが刺さる・痛い…応急処置してもらえますか?」

A. もちろんです。ワイヤーの調整や保護は短時間でできることが多く、妊娠中でも問題なく対応できます。

我慢してしまうと食事や睡眠にも影響するので、早めにご連絡ください。 

 

Q.「妊娠中は歯ぐきが腫れやすいって本当?」

A. 本当です。ホルモン変化で歯肉炎が起こりやすくなることが知られています。 矯正装置がある場合は特に、プラークコントロール(汚れの管理)が重要です。

 

Q.産後・授乳中の矯正治療はどうなりますか?

A. 産後は生活リズムが大きく変わるため、通院間隔を調整したり、必要に応じて無理のない範囲で治療を進めます。

治療自体には大きい影響はないと考えています。

 

————————————————————————

当院では石岡市をはじめ、土浦市・水戸市・つくば市・小美玉市・かすみがうら市・鉾田市・笠間市など、茨城県内のさまざまな地域から患者さまにご来院いただいております。日本矯正歯科学会認定医と日本専門医機構矯正歯科専門医が在籍しています。

電車・お車ともにアクセスしやすく、県内広域からのご相談も歓迎しております。

石岡みらい矯正歯科 院長:丸岡亮(歯学博士)

茨城県石岡市国府4-5-4

TEL:0299-24-4118

最新情報は 公式Instagram、youtube でも発信中!ぜひフォローをお願い致します!

 

       

 

List of probably useful references

American Dental Association. Pregnancy. Updated July 14, 2025. Accessed December 23, 2025.

American College of Obstetricians and Gynecologists. Oral Health Care During Pregnancy and Through the Lifespan. Committee Opinion No. 569. Obstet Gynecol. 2013;122(2 Pt 1):417-422.

American Academy of Pediatric Dentistry. Oral Health Care for the Pregnant Pediatric Dental Patient. The Reference Manual of Pediatric Dentistry. 2025.

Manautou MA, Mayberry ME. Local anesthetics and pregnancy: a review of pharmacology and clinical considerations. Anesth Prog. 2023.

Lopes IC, et al. Analgesia in pregnant patients: a literature review. 2024.

Zhang J, et al. Expert consensus on the treatment of oral diseases in pregnancy. 2025.

Mukherjee PM, Almas K. Orthodontic considerations for gingival health during pregnancy. J Clin Periodontol. 2010;37(8):696-702.

FDI World Dental Federation. Oral Health and Pregnancy: Fact Sheet. 2024/2025.

Massachusetts Department of Public Health. Oral Health Practice Guidelines for Pregnancy & Early Childhood. 2024.

ADA. Nitrous Oxide Safety for Pregnant Dental Staff and Patients. Accessed December 23, 2025.

Khinda V, et al. Nitrous oxide inhalation sedation: clinical guidance and safety considerations. 2023.

ACOG. Guidelines for Diagnostic Imaging During Pregnancy and Lactation (overview statements). Accessed December 23, 2025.

Silk H, Douglass AB, Douglass JM, Silk L. Oral health during pregnancy. Am Fam Physician. 2008;77(8):1139-1144.

Gajendra S, Kumar JV. Oral health and pregnancy: a review. N Y State Dent J. 2004;70(1):40-44.

Offenbacher S, et al. Periodontal disease and adverse pregnancy outcomes: epidemiology and biological plausibility. Periodontol 2000. 2013;62(1):125-139.