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矯正中にブラケットが外れる原因とは?壊れやすい食べ物と注意点を解説します (2026年3月19日)

 

 

矯正中にブラケットが外れる原因とは?壊れやすい食べ物と注意点

 

こんにちは。

茨城県石岡市、小美玉市、かすみがうら市、笠間市、土浦市からも通っていただいている矯正歯科、石岡みらい矯正歯科・院長の丸岡です。

矯正治療中に「装置が外れてしまった」「ワイヤーが曲がった」といったトラブルを経験される方は少なくありません。特に学生さんや20代の方は外食や間食の機会も多く、気づかないうちに装置へ負担がかかっていることもあります。

今回は、矯正装置(ブラケット)やワイヤーの破損、変形について、注意すべきことをまとめてみました。主に教科書的な内容に私自身の臨床経験からの私見も交えております。ご参考にしていただけると幸いです。

 

 

矯正装置はなぜ壊れるのか

 

 

ワイヤー矯正では、歯の表面にブラケットを接着し、そこにワイヤーを通して力を加えています。この構造は非常に合理的ですが、一方で外からの強い力には弱いという特徴があります。

例えば、強い咬合力や瞬間的な衝撃が加わると、接着面にストレスが集中し、ブラケットが歯から外れてしまうことがあります。*当院では接着剤に柔軟性(たわみ)を持つものを選択し使用しています。

ワイヤーは一定以上の力が加わると元の形に戻らない変形(永久変形)が起こることが知られています。実際の臨床でも、咀嚼や硬い食べ物によってワイヤーの変形や接着の破綻が生じることが少なからずあります。

つまり、日常の食事がそのまま装置のトラブルにつながる可能性があるのです。

 

 

ブラケットが壊れやすい部位

 

ブラケット装置が外れる(脱落)トラブルについて、起こりやすい部位があります。過去の調査研究を見てみると、以下の傾向があるようです。

・脱離は前歯よりも後方歯で多い

・特に大臼歯チューブが最も多い

・下顎の方がやや多い傾向

・初期治療(6ヶ月以内)に集中

・咬合が深い症例で前歯も増える

これは私の臨床的な私見とほぼ同じです。

 

前歯 vs 臼歯の比較

複数研究で共通しているのがこの結果です。

・後方歯の方が明らかに脱離が多い

・前歯の2~3倍という報告もある

これは、臨床的解釈として、咬合力の影響が強くでる、術者の技術的制約(湿潤環境で接着が難しい)、歯の形が複雑で適合が悪いことが考えられます。

 

上顎 vs 下顎

研究によって差はありますが、下顎の方が脱離が多い傾向です。理由としては、咬む力(咬合力)の集中しやすい、上顎の歯の干渉がある、装置装着時に水分がつきやすい(唾液コントロールの難しさ)ことが考えられます。

 

左右差

これは面白いデータがありました。右側の方が脱離が多いとのことです。仮説として、咀嚼側の偏り、利き手によるブラッシングの力の差、術者の癖、ボンディング順序があるようです。私個人としては、取れやすい部位の左右差は感じたことはありませんが、やはり患者さんごとに噛み癖があるため、右ばかり外れる、左ばかりという事例は経験しています。

 

前歯でも脱離が増えるケース

前歯は基本的に脱離は少ないとされていますが、咬み合わせが深い過蓋咬合の場合では増えます。

 

時期

約90%が初期6ヶ月以内でに生じると言われています。これは、患者が慣れていない、接着の際のエラーが考えられます。一方、私見ですが、最終的な微調整の段階でも増えてくると最近感じています。これは接着剤の劣化に加え、きちんと噛み合う場所が増えて来たからなのではないかと思っています。またワイヤーはブラケットの溝の部分で摩擦や応力が集中しやすく、繰り返しの負荷によって変形や摩耗が生じることも知られています。

 

 

ブラケットを壊しやすい食べ物

 

矯正治療中に注意すべき食べ物は、単に「硬い・粘着性がある」という分類だけでは不十分です。実際には、力のかかり方や食べ方によってリスクの種類が異なります。ここでは臨床的な観点から、より細かく分けて説明します。

 

瞬間的に強い力がかかる食べ物

まず最もトラブルが多いのが、硬さによって瞬間的な衝撃が加わる食べ物です。代表的なものとして、氷、硬いせんべい、ナッツ、硬いキャンディー、フランスパンの耳、ポップコーンの種などが教科書的に挙げられます。

これらは咬んだ瞬間に局所的に強い力が加わり、ブラケットの接着面に急激なストレスがかかります。その結果、ブラケットの脱離やワイヤーの変形が起こります。実際に、硬い食品はブラケット破損やワイヤーの屈曲を引き起こす代表的な原因とされています。

 

粘着性で装置を外してしまう食べ物

次に重要なのが、粘着性によって装置を引き剥がすタイプの食べ物です。キャラメル、ガム、グミ、餅、ソフトキャンディーなどが代表例とされています。

これらはブラケットやワイヤーに付着し、咀嚼時や飲み込む際に「引っ張る力」が加わります。この力が接着面に持続的に作用することで、ブラケットが歯から外れることがあります。さらに問題なのは、粘着物が装置周囲に残りやすく、清掃性が低下することです。その結果、プラークが停滞しやすくなり、虫歯やホワイトスポットのリスクも上昇します。

臨床的には、ブラケット脱離の原因として粘着性食品+清掃不良が組み合わさるケースが多いとされています。一方で、患者さんからこれらのものが原因で取れたと言われることは少ないと感じています。個人的には、気が付かないうちに取れるといった原因になっているのかも知れませんが、主要な原因ではないかと思っています。

 

持続的な力でワイヤーを曲げる食べ物

三つ目は、瞬間的な衝撃ではなく、持続的な力によってワイヤーを変形させる食べ物です。例えば、ベーグル、硬めのパン、ピザの耳、スルメ、繊維質の強い肉などが該当します。

これらは咀嚼に時間がかかり、ワイヤーに対して持続的な圧力やねじれが加わります。その結果、ワイヤーがわずかに変形し、歯に加わる力の方向が変わる可能性があります。ワイヤーの変形は見た目では分かりにくいことも多く、患者さん自身が気づかないまま治療効率が低下するケースもあります。

 

装置の隙間に入り込む食べ物

見落とされやすいのが、装置の隙間に入り込むタイプの食べ物です。代表的なのがポップコーンの殻や細かいチップスの破片です。これらはブラケットと歯の間や歯肉縁に入り込みやすく、無理に取り除こうとする過程でブラケットに力が加わり、結果的に脱離につながることがあるという点で重要です。また、炎症や違和感の原因になります。

 

 

ブラケットを壊しにくい食べ方

 

 

ここでは臨床的に重要なポイントを、力のかかり方という視点から詳しく解説します。

 

小さく切るという重要性

単に「小さくする」という指導はよく行われますが、これには明確な力学的な意味があります。

大きな食塊をそのまま噛むと、歯にかかる力が不均一になり、特定の歯やブラケットに過剰な負荷が集中します。一方、小さく切ることで力が分散し、咬合時のピーク負荷を下げることができます。実際に、食べ物を小さくして奥歯で噛むことはブラケット脱離予防の基本とされています。臨床的には、装置トラブルが多い患者さんほど、そのままかじる習慣が残っている印象があります。

 

奥歯でゆっくり噛むという重要性

次に重要なのが咀嚼のスピードと方法です。

早食いや強い咬合は、瞬間的に大きな力を発生させます。この急激な力がワイヤー変形やブラケット脱離の原因になります。一方で、ゆっくり均等に噛むことで、力は時間的に分散され、装置への負担が軽減されます。

 

前歯でかじらない

リンゴ、ハンバーガー、サンドイッチ、フランスパンなどを前歯で噛み切ると、ブラケットに対して剪断力が直接加わります。この力は一点に集中するため、接着界面に強いストレスがかかり、脱離の原因になります。そのため、基本は食べ物を一口サイズに切り、奥歯で噛むことが推奨されています。

 

食べ物を柔らかくしてから食べる

食材そのものを変えるのではなく、調理でリスクを下げるという考え方も重要です。例えば、硬い野菜は茹でる、肉は細かく切る、パンはトーストせず柔らかい状態で食べる。このように、物性を変えることで装置への負担を減らすことができます。

 

一点に力をかけない咬み方

臨床的に重要なのが力を一点に集中させないことです。例えば、片側だけで噛む、いつも同じ歯で噛む、硬いものを一部の歯で割ろうとする。このような習慣があると、特定のブラケットに過剰な負担がかかり、繰り返し脱離が起こることがあります。左右バランスよく咀嚼することで、力を分散させることも重要です。

 

食事中の無意識の癖にも注意

実は装置トラブルの原因として、食事中の癖も無視できません。例えば、歯で袋を開ける、フォークや箸を噛む、氷を噛む、爪を噛む。これらはすべてブラケットやワイヤーに直接的な負荷を与える行為です。実際に、硬い物体を噛む行為はブラケット脱離やワイヤー変形の原因になるとされています。

 

 

壊れてしまった場合の対処法

 

 

もしブラケットが外れたりワイヤーが変形した場合は、できるだけ早めに歯科医院へ連絡することが重要です。痛みがない場合でも、そのまま放置すると歯の動きに影響が出たり、治療期間が延びる可能性があります。

応急的な対応としては、ワイヤーが頬に当たる場合は矯正用ワックスを使用すると刺激を軽減できます。ただし自己判断でワイヤーを切ったり外したりすることはおすすめできません。

 

 

Q&A

 

A.矯正中にチョコレートは食べても大丈夫ですか

Q.チョコレート自体は問題ありませんが、ナッツ入りやキャラメル状のものは装置に負担がかかるため注意が必要です。

 

A.ブラケットが一つだけ外れましたが放置しても大丈夫ですか

Q.すぐに大きな問題が出ないこともありますが、歯の動きに影響する可能性があるため早めの受診をおすすめします。

 

A.ワイヤーが少し曲がった気がしますが様子を見ても良いですか

Q.軽度でも力のかかり方が変わる可能性があります。違和感がある場合は確認を受けた方が安心です。

 

 

まとめ

 

矯正治療中は、装置が壊れるリスクを完全に避けることはできません。しかし、食べ物の選び方や食べ方を少し意識するだけで、多くのトラブルは予防できます。

特に硬いもの、粘着性のあるもの、前歯でかじる習慣には注意が必要です。もし装置に違和感を感じた場合は、無理に我慢せず早めにご相談ください。

矯正治療は日常生活と並行して進めていくものです。無理のない範囲で注意点を取り入れていただくことが、治療をスムーズに進めるポイントになります。

 

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石岡みらい矯正歯科 院長:丸岡亮(歯学博士・東京科学大学)

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