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早期矯正治療の装置 – 拡大床(緩徐拡大装置)

はじめに

 

こんにちは。茨城県石岡市、小美玉市、かすみがうら市、土浦市の矯正歯科クリニックの石岡みらい矯正歯科です。

 

「前歯が生え替わってきたら、もうガタガタしている」「このあと奥歯や犬歯が生えてくると思うと場所が足りるのか心配」

こうしたご相談で小学校低~中学年ぐらいのお子さんと一緒に来院される方は少なくありません。

また、お子さん自身がワイヤーの装置を「目立つからイヤ」「痛そう」と感じていたり、保護者の方が「固定式のワイヤーだと歯みがきがしづらくてむし歯にならないか心配」と感じていることもよくあります。

 

こういったケースで、あごの幅をゆっくりと広げて、あとから生えてくる永久歯のスペースをつくる方法として用いるのが、取り外し式の緩徐拡大装置(拡大床)です。

今回はこの装置の考え方と、向いているケース・お手入れ・限界について整理しておきます。

 

緩徐拡大装置(拡大床)とは?

 

緩徐拡大装置は、レジンのプレートの真ん中にスクリュー(ネジ)が組み込まれた取り外し式の装置で、数日に一度ネジを回すことで、顎と歯列を少しずつ横方向に広げることを目的としています。

急速拡大装置(rapid maxillary expansion : RME)のように短期間で一気に広げるのではなく、ゆっくり、組織に無理をさせない速度で拡大するのが特徴です。混合歯列期(乳歯と永久歯が混ざっている時期)に行うことが多い治療です。

ヨーロッパ圏や日本でも古くから使われている方法で、成長を利用して歯列弓の幅を増やし、将来の叢生(ガタガタ)のリスクを下げる、あるいは軽くする目的で使われてきました。

固定式に比べて外して清掃できること、拡大量をコントロールしやすいことが利点です。

↑ 拡大床の一例。通常は透明かピンク色ですが、ご希望で好きな色も選べます。

 

どんな患者さんに向いているのか

当院では、次のような点を考慮し拡大床の適応かどうかを検討します。

①前歯にすでに軽度~中等度の叢生がある
今後、生える永久歯(犬歯・小臼歯など)のスペースがこのままでは不足しそうな場合です。

 

②歯列の横幅がやや狭い・歯列弓が内側に入っている
歯列を少し横に広げることでアーチを丸くし、歯の並ぶ場所を確保できます。

 

③混合歯列期で、まだ成長が見込める
低年齢で骨の成長途上の方が、骨・歯周組織が順応しやすく、拡大がしやすくなります。

一方、小学校高学年で永久歯がほぼ揃ってきている場合は、本格矯正治療が適応になることもあります。

 

④ワイヤー装置への心理的な抵抗が強い、あるいはむし歯リスクをできるだけ抑えたい
取り外して歯みがきできるので、保護者の方が管理しやすくなります。

 

⑤装置を毎日決められた時間きちんと使える見込みがある
可撤式である以上、使用時間の遵守が結果に直結します。協力度は非常に大切です。

 

一方で、骨格的に大きく特に上顎が狭い場合や、交叉咬合を一気に改善したい場合、拡大量が大きく必要な場合は、固定式の急速拡大装置や、のちの本格矯正の方が適していることもあります。

↑ 急速拡大装置の一例(ASOインターナショナル社)

 

お手入れ・使い方のポイント

取り外しができることは大きな利点ですが、外せるがゆえに、入れていない時間が長いと効果が落ちます。以下を患者さん・保護者の方に必ずお伝えします。

↑ 装着時間を守って、使いましょう。

 

装着時間:

指示した時間(多くは1日○時間、もしくは就寝時+在宅時)は必ず装着することが重要になります。

スクリューの拡大は指示通りに:

たとえば「3日に1回、1/4回転」など細かく指示します。早めすぎても遅すぎてもよくありません。

↑ スマホのカレンダーやリマインダーも活用して、予定通りに広げてみましょう。

 

⭐︎関連する記事⭐︎ 装置のつけ忘れを減らす工夫は?

 

清掃:

外したら歯ブラシで装置をやさしく磨き、水洗いが基本になります。お湯は変形の原因になるので避けてください。専用の洗浄剤を週に数回使うと衛生的とされていますが、素材によっては劣化することもあります。

 

↑ 清掃しないと、汚れが溜まって取れなくなってしまします。外したら必ずブラッシングを。

 

⭐︎関連する動画・清掃方法について⭐︎

 

⭐︎関連する動画・洗浄剤について⭐︎

 

紛失防止:

食事中にティッシュで包むと捨ててしまうことがあるので、必ずケースに入れるようお子さんにも伝えます。

↑ 外したらケースに入れる習慣をつけましょう。

 

定期チェック:

拡大の進み具合、装置の適合、歯肉の状態を確認するため、必ず定期的に通院してもらいます。

 

知っておいていただきたい点

緩徐拡大装置はとても便利な装置ですが、次のような限界があります。

①どこまでも広げられるわけではない
歯槽骨の厚み・形態・年齢によって安全に拡大できる量には上限があります。

 

②拡大=将来の非抜歯が必ずしも保証されるわけではない

上下顎の前後的不調和が大きい場合(強い反対咬合や前突感がある)、歯の大きさ(歯冠幅径)が非常に大きい場合、口元の突出を避けたい場合などは、永久歯がすべて生えそろった段階で、本格矯正治療(ワイヤー矯正)を行い、症例によっては抜歯して配列するほうが「より良い咬合・より良い顔貌」を得やすいことがあります。

 

③協力度に結果が左右される
十分な装着時間が確保できなかったり、拡大スクリューを所定の間隔で回せなかったりすると、計画通りの拡大が得られません。

当院では「いまの段階でできるだけ場所をつくる」「将来の本格矯正を有利にする前準備をしておく」という位置づけで説明することが多いです。

 

よくあるご質問・Q&A

Q. 装置を1日つけ忘れてしまいました。どうすればいいですか?

A. 1日程度であれば多くの場合は大きな問題にはなりませんが、続くと拡大が戻ってきます。翌日以降は指示通りの時間でしっかり装着してください。装着を再開したときに痛みが強い・入らないなどがあれば受診してください。

 

Q. どれくらいの期間つけるものですか?

A. 拡大量やお子さんの成長段階によりますが、1,2年位がひとつの目安になることが多いです。その後、得られた幅を安定させるために装着間隔をあけていく保定的な使い方をすることもあります。

 

Q. 拡大したらそのあとワイヤー矯正は不要になりますか?

A. ケースによります。拡大で「生える場所を確保する」「ガタガタを軽くする」ことはできますが、最終的な細かい歯の配列・かみ合わせの仕上げは、永久歯がはえそろってから本格矯正治療(マルチブラケットやマウスピース矯正)が必要になることがあります。最初の診断のときに、どこまでを早期矯正治療で目指すのかをご説明します。

 

まとめ

・前歯のガタガタが早くから見えるお子さんでは「今のうちに場所をつくる」発想が有効なことがあります。

・取り外し式の緩徐拡大装置は、ワイヤーへの抵抗がある・むし歯のリスクをできるだけ避けたいご家庭にとって選択肢になりやすい装置です。

・ただし、どこまでも広がるわけではなく、あくまで将来の本格矯正を楽にする前準備として位置づけになります。

 

この投稿の概要につきまして、動画にもまとめてございます。合わせて、ご参照ください。(音声が出る場合がございます)

⭐︎関連する投稿⭐︎

早期矯正治療の相談時期

早期矯正治療の概要(動画)

 

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当院では石岡市をはじめ、土浦市・水戸市・つくば市・小美玉市・かすみがうら市・鉾田市・笠間市など、茨城県内のさまざまな地域から患者さまにご来院いただいております。日本矯正歯科学会認定医と日本専門医機構矯正歯科専門医が在籍しています。

電車・お車ともにアクセスしやすく、県内広域からのご相談も歓迎しております。

石岡みらい矯正歯科 院長:丸岡亮(歯学博士)

茨城県石岡市国府4-5-4

TEL:0299-24-4118

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石岡みらい矯正歯科のご紹介【茨城県石岡市の矯正歯科医院・石岡みらい矯正歯科】

 

こんにちは。茨城県石岡市、小美玉市、かすみがうら市、土浦市の矯正歯科医院・石岡みらい矯正歯科の丸岡亮です。

このたびは当院のホームページ・ブログをご覧いただきありがとうございます。

 

当院は開設して2年程度が経ちましたが、改めまして、今回は、私たち「石岡みらい矯正歯科」の概要と特徴的な設備について、ご紹介をさせていただきたいと思います。

 

石岡みらい矯正歯科について

 

当院は、2023年8月に石岡市で唯一の矯正歯科専門医院として開設しました。
前身である「横川矯正歯科」から通算20年以上の歴史を持ち、これまでに2400症例を超える治療実績があります。

日本矯正歯科学会認定医および日本専門医機構認定矯正歯科専門医が在籍しております。
石岡市はもちろん、小美玉市・かすみがうら市・土浦市・水戸市など県内全域から多くの患者さまにご来院いただいております。

 

私たちの想い

 

矯正歯科治療を通して、「自信と活力にあふれる、豊かな未来を提供する」

ことをミッションとしています。
そのために、

患者さまとの対話を大切に

丁寧な説明と痛みの少ない治療を心がけ

不安を安心に変える優しい診療環境づくり

に日々努めています。

 

院内のご紹介

 

受付では、専任のスタッフが常駐し、歯ブラシや歯磨き粉などのおすすめ商品もご案内しています。

また、治療前に歯磨きができる化粧室、待ち時間に遊べるキッズルームを完備。お子さま連れの方でも安心してご来院いただけます。

診療室には、開放感のあるユニットのほか、カウンセリング専用個室を2室設けており、MFT(口腔筋機能療法)などもこちらで行っています。

 

こだわりの設備紹介

① 歯科用CT撮影機

セファログラムを含む各種レントゲン撮影に加え、歯科用のCT画像を撮影でき、歯根の位置や骨の厚み、顎関節の状態を正確に把握できます。
小さなお子さまでも安心できるよう、水族館をイメージした優しい内装になっています。

 

② 口腔内スキャナー(iTero)

アルジネートと呼ばれる粘土のような材料を使わず、歯や咬み合わせを3Dで記録できる最新スキャナーです。
2024年発売の最新型を導入しており、スキャンスピードも早く、ヘッドも小型で快適です。

 

③ パウダークリーニング

ワイヤー矯正中の細かな汚れや着色をやさしく除去し、歯の表面をツルツルに保ちます。
ホワイトニングが難しい治療期間中でも、白く清潔な口元を維持することができます。

 

④ プライヤー専用滅菌器

矯正用の器具(プライヤー)は錆びやすく、滅菌を避ける医院もありますが、
当院では専用の滅菌器を導入し、患者さまごとに完全滅菌を徹底しています。

 

⑤ 快適な歯科ユニット

長時間の治療でも快適に過ごせるよう、ふかふかのシートを採用。
お子さまから大人の方まで、リラックスして治療を受けていただけます。

 

院長紹介

院長の丸岡亮は、東京医科歯科大学病院矯正歯科外来および東京大学医学部附属病院口腔顎顔面外科・矯正歯科にて矯正歯科治療を専門に勤務してまいりました。
これまでの経験を活かし、大学病院と同レベルの精密で安全な矯正治療を提供しています。

 

よくお受けするご質問

当院にお寄せいただく、ご質問につきまして、以下にまとめさせていただきました。

 

①料金について

以下のページをご参照ください。

石岡みらい矯正歯科・料金表

 

②初診受付のご案内

歯並び、矯正治療について、お悩み、ご質問がございましたら、ぜひ、ご相談にお越しいただければと思います。以下のサイトから、ご予約がお取りできます。

初診相談ご予約フォーム

 

③小児矯正の相談時期について

気になるところがありましたら、まずは、ぜひ、ご相談をいただければと思います。すぐに治療開始とはなりませんので、ご安心してください。

以下に詳しくまとめてございますので、ご参照いただければと思います。

小児矯正の相談時期について

⭐︎概要を動画にもまとめております⭐︎

 

最後に

 

石岡みらい矯正歯科では、ホワイトワイヤーでの治療を中心として、痛みの少ない、目立ちにくい、矯正治療を心がけています。

きれいな歯並びを通じて、新しい未来に一歩踏み出すお手伝いをできればと思っております。

 

当院の紹介動画も作成してありますので、合わせまして、ご覧いただけますと幸いです。

 

 

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当院では石岡市をはじめ、土浦市・水戸市・つくば市・小美玉市・かすみがうら市・鉾田市・笠間市など、茨城県内のさまざまな地域から患者さまにご来院いただいております。日本矯正歯科学会認定医と日本専門医機構矯正歯科専門医が在籍しています。

電車・お車ともにアクセスしやすく、県内広域からのご相談も歓迎しております。

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早期矯正治療の装置 – インビザライン・ファーストについて【茨城県石岡市の矯正歯科専門クリニック・石岡みらい矯正歯科】

こんにちは。茨城県石岡市、小美玉市、かすみがうら市、土浦市の矯正歯科専門クリニック・石岡みらい矯正歯科の丸岡亮です。

今回は、小児矯正(早期矯正治療)におけるマウスピース矯正(インビザライン)ついてです。

 

お子さまの歯並び・咬み合わせが気になって「矯正を検討してみようかな」と思っても、実際には次のようなご不安・お気持ちをお持ちのご家族が少なくありません。

「装置が目立つと、子ども本人が嫌がるかもしれない」

「ワイヤー矯正だと器具がたくさんついていて痛そう」

「治療中に虫歯になったらどうしよう…」

当院では、こうしたご懸念のあるご家庭に対して、小児用のカスタムメイドのアライナー型矯正装置(インビザライン・ファースト)という選択肢も、従来の方法に加えてご提案しております。

今回は、この治療の概要として、どういった方に向いているか、装置・お手入れ・装置付帯事項・保定について整理します。

 

インビザライン・ファーストとは?

マウスピース矯正とは、透明なプラスチックのトレイ(アライナー)を患者さまのお口の型・3Dスキャンデータを基に一連に製作し、数週間ごとに新しいアライナーに交換しながら少しずつ歯を動かしていく矯正法です。

インビザライン・ファーストは、特に成長期のお子さま(混合歯列期)を対象に、成長を利用して歯列・アーチを発育誘導するために設計されたマウスピース矯正のシステムです。

 

具体的な特徴をいくつかご紹介します。

①目立ちにくさ・装置感の軽さ

透明な素材で、金属ワイヤー・ブラケットを用いる固定装置に比べて「口元が気になる」「見た目が気になる」といった心理的なハードルが低く、児童・保護者ともに装置に対する受け入れが比較的高い報告があります。

例えば、若年層でマウスピースの方が魅力的・受け入れやすいという調査もあります。

↑ 透明で目立ちにくいのが人気の理由です

②取り外し可能・日常食事・ブラッシング時の利便性

食事のときには装置を外せる、歯磨き・フロスのときも外して行えるため、固定装置に比べて衛生管理(プラーク除去・虫歯予防)という観点で有利となる可能性があります。 

 

③コンプライアンス・装置交換頻度の工夫

児童期では装置を装着していない時間(外している時間)が長くなりがちですが、インビザライン・ファーストでは毎数週間ごとに交換するステージ型であるため、「次のマウスピースに交換する」「装着ユニットが終われば保定に移る」という区切りを意識しやすく、モチベーションの維持やスケジュール管理がしやすいという臨床報告もあります。 

 

④痛み・不快感の軽減傾向

固定装置(ワイヤー・ブラケット)に比べて、マウスピース矯正では痛みや違和感の軽減が報告されています。例えば、成人例を対象としたレビューでは、マウスピース装置群の方が最初の1週間の痛みが有意に少ないという報告があります。 

 

当院ではこれらの特徴を保護者・お子さまに丁寧にお伝えし、見た目、痛み、虫歯予防、生活のしやすさという観点でワイヤー装置との違いについてお話ししています。

ただし、万能な装置ではなく、適応や管理が重要であることも併せてご説明しております。

 

インビザラインの概要については、以下の投稿も合わせてご覧いただければと思います。

インビザラインとは?

 

どういった方に向いているのか

インビザライン・ファーストはあくまでもいくつかある矯正治療方法の一つであり、すべての方に適応とは考えられておりません。

以下、インビザライン・ファーストによる治療が適応できそうな方について、まとめてみます。

①早期矯正治療が適応の、混合歯列期のお子さま

概ね6~10歳前後で、早期矯正治療を行うことで、メリットが大きい場合に適用します。具体的には片側だけ咬み合わせがずれている交叉咬合、犬歯が外側にずれて生える、あるいは隣の歯の歯根に当たるリスクがある、外傷リスクが高い上顎前突などは早めの介入が有利と考えられています。

詳しくは、以下の投稿をご覧ください。

小児矯正の相談時期について

 

②お子様が装置の見た目を気にしていて、治療に踏み切れない

③お子様あるいは保護者の方が、矯正治療によるむし歯のリスクを心配されていて、治療に踏み切れない

上記の場合、早期矯正治療の適応時期に、適切な治療を受ける機会を逃してしまう可能性があります。

 

④お子様、および保護者の方が、装置の装着時間・手入れ・管理(マウスピースの取りはずし・保管・交換)に対して一定の協力が得られる

 

また、以下のような症例では、他の顎整形力をかける従来型の装置や、永久歯列期でのワイヤー矯正が適応になる可能性が高いと思われます。

・骨格的な不調和(上下顎の前後的・左右的なずれ・偏位)が大きい症例

・歯の傾斜移動・回転・挺出・移動距離が大きいと予想される症例

・叢生(がたがた)の量が多く、本格矯正治療から行うのが望ましい症例

・お子さまの装置管理・装着時間(マウスピース20時間以上/日など)が難しいと判断される場合

 

実際に患者さんが適応になるかどうかは上記の状況を踏まえて、総合的に判断いたします。当院では、初診時にきちんとご説明し、診査診断のうえ、ご提示しています。

 

日常的な管理について

マウスピース矯正(特に成長期のお子さま)では、装置そのものの精度・適合性・装着時間の確保に加えて、日常の管理が治療成績に大きく影響します。以下、当院でご案内する主要なポイントです。

①チューイ(Chewies/咬む補助具)
マウスピースを装着したあと、装置と歯面が密に接触してフィットするように、やわらかい咬む補助具(チューイ)を数分間使っていただきます。

特にお子さまが新しいアライナーに交換した直後などでは、チューイを使うことでアライナーの適合が得られ、予定どおりの歯の移動が起こりやすくなります。

↑ 小さい円柱状のゴムを咬んでいただき、アライナーを歯にしっかり密着させます

 

②定期チェックと装着時間の確認
マウスピース矯正では1日あたりの装着時間が非常に重要です。装着時間が短いと、計画からずれやすく、リファインメント(追加アライナー)が頻繁に必要になり、治療が長期化となる可能性が高まります。また、アタッチメントの脱落・装置の破損・紛失などを防ぐため、毎回の来院時に状態のチェックと動機づけを行っています。

↑ 当院では月に1回は装着状況や歯の動きの確認を行なっております

 

③飲食後の歯磨き

食事時には装置を必ず外してください。糖分・酸性飲料・おやつを摂った後は、装置を戻す前に歯磨きをし、口腔内をきれいに保つことが虫歯予防に重要です。

装置を外したまま飲み物(砂糖入り飲料・炭酸・果汁含む)を飲んでから装着し続けると、プラーク・細菌が溜まりやすく、装置内および歯面にむし歯や歯の白濁などのリスクが出ます。

 

④装置(アライナー)のお手入れ

装置自体は、専用ブラシあるいは普段お使いの歯ブラシ、中性洗剤(あるいはマウスピース洗浄剤)で優しく洗浄してください。歯磨き粉の使用、熱湯、漂白剤などは避けてください。装置の変形・破損・精度低下の原因になります。

 

⑤紛失に注意ください

装置を外すとき・戻すときには、必ず付属のケースを使用し、例えば学校や出先で紛失・破損しないよう、ケース携帯をお子さまにお伝えください。紛失した場合、追加トレイ作製(追加費用・治療延長)が必要になってしまします。

↑ 必ずお渡しする専用のケースを持ち歩くようにしましょう

 

その後の保定・フォローについて

矯正治療(動的治療)が終了した後、歯が動かないように維持するための保定(リテーナー)期間がとても大切です。

マウスピース矯正でも、もちろん保定は必須です。以下が当院で行なっている保定観察・成長観察の流れについてです。

 

①保定装置(リテーナー)の装着

基本的には、取り外し可能なマウスピースタイプのリテーナーを使用します。または固定式のタイプあるいはその併用を、お子さま・症例の条件に応じて選びます。マウスピース矯正終了後に、取り外しタイプの透明リテーナーを用いるケースも多くあります。

 

②定期的な通院

保定期間中も、定期的なメンテナンスを継続します。当院では、永久歯の生え変わりや咬み合わせのチェックを3~6ヶ月ごとに行っております。

成長期のお子さまは、まだ顎骨・歯列が変化・成長を続けています。

そのため、保定装置の調整・リテーナー交換・新たな歯の萌出や抜け変わり(乳歯の脱落・永久歯の生え替わり)に応じた対応が必要です。

 

③本格矯正治療への移行

すべての乳歯が抜け替わり、永久歯列になったのち、再度、矯正学的検査を行い、本格矯正治療へ移行が必要な場合はそのご案内をいたします。

インビザライン・ファーストではすべての永久歯を並べる治療ではない(早期矯正治療の装置の一つ)ことをあらかじめ、ご理解ください。

 

おわりに

お子さまの矯正治療を検討される際、「装置が見えるのが気になる」「お子さまがワイヤーを嫌がらないか」「虫歯のリスクが増えるのではないか」というご懸念はごく自然なものです。マウスピース型矯正「インビザライン・ファースト」は、こうした不安を軽くしながら、成長期の歯列・顎の発育に対して適切に働きかける選択肢として、非常に有効な補助となる可能性があります。

もちろん、すべての症例に万能というわけではなく、「適応」「管理」「保護者・お子さまの協力」「定期メインテナンス」が成功のカギとなります。

当院では、初診時のカウンセリングで「ワイヤー装置・マウスピース装置(インビザライン・ファースト)」「メリット・デメリット」「費用・通院頻度・衛生管理」「将来の本格矯正治療への流れ」まで丁寧にご説明しております。

装置の見た目・日常生活のしやすさ・虫歯リスク・お子さまのモチベーションなどを踏まえて、最適な治療をご一緒に検討いたしましょう。

ご興味・ご質問がおありでしたら、いつでもご相談ください。

 

インビザライン特集サイト

 

 

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石岡みらい矯正歯科 院長:丸岡亮(歯学博士)

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インビザラインとは?|石岡市の矯正歯科がわかりやすく解説してみました

 

 

【矯正歯科医が解説】インビザラインの特徴と注意点

投稿日:2025/11/7    最終更新日:2026/5/21

 

 

こんにちは。茨城県石岡市、小美玉市、かすみがうら市、笠間市、土浦市からも通っていただいている矯正歯科、石岡みらい矯正歯科・院長の丸岡です。

「矯正はしたいけれど、装置の見た目が気になって一歩を踏み出せない」――そう感じる方は少なくありません。

石岡みらい矯正歯科では白いワイヤー矯正や舌側(裏側)矯正に加え、インビザラインに代表されるカスタムメイドのアライナー型矯正装置(マウスピース矯正とも)もご提案しています。透明なマウスピースを段階的に交換して歯を動かす方法で、目立ちにくく、取り外しができるのが特徴です。食事・歯みがき時は外せます。

インビザラインによる治療の有効性は研究が蓄積されており、得意な動き・苦手な動きを理解した上で治療計画を立てること、適切な管理、指導をすることが大切とされています。今回は、カスタムメイドのアライナー型矯正装置の代表格であるインビザラインを中心に、概要について、お伝えできればと思います。

 

 

はじめに:簡単なまとめ

 

マウスピース矯正(インビザライン)は、透明な装置を用いることで目立ちにくく、取り外しが可能な矯正治療法です。見た目の負担が少なく、日常生活に取り入れやすい点が大きな特徴です。また、ワイヤー矯正と比較して痛みが比較的少ないとされる一方で、装着時間の管理や適応症例に注意が必要です。すべての歯並びに適しているわけではなく、歯の動かし方によっては他の治療法が適する場合もあります。そのため、メリットだけでなく注意点も含めて正しく理解することが大切です。

 

 

インビザラインの素材と仕組み・交換サイクル

 

素材

アライナーはいわゆる、プラスティックの材料ですが、もちろん、改良、工夫がされています。インビザラインではポリウレタン系のSmartTrackなど、弾性(柔らかさ)と復元性を両立した材料が用いられます。

素材特性は装着のしやすさ・力の出し方に影響を与えます。そのため移動、拡大量の精度にも関与します。 

 

動く仕組み

1枚ごとにわずかな歯の移動量が設計されます。少し動かした状態でアライナーを作成、また少し動かして作成、、、というように繰り返して、数十枚、作成されます。連続して交換して装着することで、最終的な歯並びが達成されます。

↑ シミュレーションに合わせて、数十枚のアライナーが工場で作成されます

 

交換間隔

一般に7~14日交換が多く、1週間ごと/2週ごとの交換間隔の双方で臨床的に妥当とするレビューや研究があります。

患者さんごとに歯の動きや適合状況で判断することが必要と考えられます。 

↑ 通院のたびに、次回までにお使いいただくアライナーをお渡しいたします(もちろん一枚ずつ分かるように包装されています)

 

 

動きを助けるもの

 

 

アタッチメント

インビザラインで治療する際は、その動きを補助する目的で、歯の表面にレジンと呼ばれる歯とほぼ同じ色で、むし歯治療の際に使用するプラスティックを使用し、小さな突起(アタッチメント)を接着します。治療が終わったら、もちろんきれいに外せるものです。

このアタッチメントにより、アライナーが把持・回転・トルク表現をしやすくなります。形状・数・配置は動かしたい方向に合わせて設計します。

適切な設計が適合性や移動効率を左右することが示されています。

↑ アタッチメントを装着します。基本的には歯の色ですので、目立ちません

 

アライナーチューイ

装着直後にチューイ(ゴムのような素材でできた円柱状のもの)を噛んでいただくと、アライナーがしっかりとはまるようになり、歯と適合されます。治療のスピード自体を確実に上げる強固なエビデンスは限定的ですが、歯からアライナーが浮いてしまうアンフィットを減らすためには必要なものです。

アンフィットが大きいと、作り直しやアライナーを数枚、前のアライナーに戻していく必要が出てきてしまうことから、治療期間自体の延長を予防することに繋がります。

↑ 1日に10分適度、お時間を作っていただき、使用を推奨します

 

 

アライナー治療の注意点

 

 

インビザラインなどのアライナー矯正を行う際は、以下の点について、あらかじめ、知っておいていただきたいと考えております。

得意・不得意な動きがあります

前歯の軽度な叢生(ガタガタ)・歯列弓を広げていく治療は比較的良好に経過します。一方、歯に大きな回転をかける、傾きを変える、深い咬み合わせを治す治療は治療せいどが下がることが生じやすく、補助装置をつけたり、リファインメント(追加アライナー)がほぼ前提になります。

 

装着時間の厳守が必要です

ほぼ一日中(20–22時間)の装着が必要です。装着時間が短いと治療計画にずれ→リファインメント増加になり、治療期間の長期化につながります。

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衛生管理、特に飲み物の注意が必要です

歯磨きがしやすいことから、治療中、むし歯のリスクを減らせるのが、インビザラインのメリットです。

一方で、装着中は糖分の入った飲み物はお控えいただくことが必要です。これは、アライナーと歯の間に飲み物が入り込んでしまい、歯にとっては糖分が入ったものに浸されている状態になります。その結果、むし歯が生じてしまうことが報告されています。

 

通院管理が必要です

定期的な適合のチェックと必要時の計画修正(リファインメント)が必要です。

 

 

 

当院の治療の流れ

 

 

初診相談

お悩み・ご希望(目立ちにくさ、通院頻度、ご予算など)を確認していきます。

 

検査

診察に加え、口腔内写真・口腔内スキャン、各種レントゲン/歯科用CT撮影を行います。

矯正治療では、どの装置を使う場合でも、まず診査診断が基本になります。歯がどのくらい重なっているのか、前歯の出方はどうか、奥歯の噛み合わせは安定しているか、抜歯が必要かどうか、横顔や口元のバランスはどうか、歯ぐきや歯槽骨に無理がないかといった点を、口の中だけでなくレントゲン写真や顔貌の写真、歯科用のCT撮影(CBCT)も含めて確認します。患者さんから見ると前歯のガタガタだけが気になっていても、実際には奥歯の位置や骨格のバランスが関係していることは少なくありません。

また、この中で歯列の模型は、歯並びを立体的に確認するためにとても重要な資料です。

写真だけでは、歯の幅、歯列弓の形、上下の歯の接触関係、左右差、スペース不足の程度などを細かく確認するには限界があります。模型があることで、歯を上から見たり、横から見たり、上下の歯をかみ合わせたりしながら、治療方針をより具体的に考えることができます。当院では従来の歯型の材料(アルジネート)が苦手な方でも取り組みやすい、口腔内スキャナーも導入しております。

口腔内スキャナーとは?従来の歯型取りとの違いと、矯正治療で大切な理由

 

 

診断・シミュレーション

スキャンしたデータで治療計画をシミュレーションします。治療計画の全体像、インビザラインによる治療におけるデメリット、適用かどうかをきちんと伝えし、患者さんにあった装置の選択を行います。

インビザライン治療で大切なのは、マウスピースを作ることそのものではありません。歯並び、噛み合わせ、骨格、歯ぐきや骨の状態、歯の根の向き、患者さんの生活スタイルまで含めて診査診断を行い、その情報をもとに綿密なクリンチェック治療計画を丁寧に組み立てることが重要です。

そこでご納得いただけましたら、契約を交わし、治療を開始します。

マウスピース矯正・インビザラインの治療で大切なこと|クリンチェック治療計画の重要性

 

 

アライナー発注・装着

シミュレーションのデータを元に、インビザライン社にてアライナーの作成をするよう注文を出します。

アライナーが到着するのは数週間後になります。届き次第、治療を開始します。

治療開始時はアタッチメントの装着や、取り外しの練習をします。

アライナーは一日、20から22時間の使用をお願いしています。

↑ アライナーチューイの使用もお願いしております

 

その後の通院、リファインメント

クリニックによっては、これをオンライン診療やアプリを用いて患者さんに写真を撮ってもらい、経過を見ることもあります。

当院では1ヶ月から1ヶ月半の間の通院をお願いしております。きちんと装着できているか、アンフィットが起きていないかの確認を目視で十分に行います。

適宜、リファインメント(治療計画の見直しと追加アライナーの発注)を行います。

 

 

保定・メンテナンス

 

矯正治療で動かした歯は、歯を支える歯槽骨がまだ安定していません。そのため、歯が動かした位置から動いてしまうまた、元の位置に戻ろうとする後戻りが生じます。この後戻りを最小限に防ぎ、綺麗になった歯並びを定着させる期間が保定期間です。2年間は、リテーナーを正しく使用し、定期検診に通うことが、努力を無駄にしないためにも必要なことになります。一般的には、動かすために使用していたアライナーをさらに丈夫な形態にしたクリアリテーナーを使用することが多いですが、特に後戻りがしやすい症例では、固定式の装置やプレートタイプのリテーナーを使用することもあります。

矯正治療後のリテーナーはなぜ2年必要?後戻りのリスクと保定管理の重要性

 

 

いわゆる「格安マウスピース矯正」との比較

 

 

矯正治療では治療費が高額になり、なかなか踏み出せないという方も多いと思います。その場合に、安価に治せるマウスピース矯正が選択肢に上がると思います。特に、コロナ禍の際に、市場規模が拡大しました。

当院ではインビザラインを用い、以下の点を考え、十分なサポートをできるように考えています。

インビザラインによる治療は一度の発注だけで終わるケースは稀で、リファインメントと呼ばれる治療計画の見直しと追加アライナーによる微調整がほとんどの症例で必要です。例えるならば、ホールインワンを目指せるのは稀で、フェアウェイ、グリーンにのせ、アプローチを重ねていく、ゴルフのようなものを想像すると良いかと思います。

当院では最長5年間、リファインメントに対応します。

一方、遠隔・無診査型などで治療を行う方法(一部の格安マウスピース矯正)では、対面による診査診断・画像検査・経過観察が不十分になりがちで、アメリカの歯科の団体、日本矯正歯科学会などから咬合・歯周へのリスクが指摘されています。

双方にメリット、デメリットがあります。歯は一生使う臓器でもあります。今後の安定性も考えて、ご判断をすると良いと思います。

こちらに関しては、以下の記事にも詳しく解説していますので、よろしければご参照ください。

マウスピース矯正の格安プランで歯並びは治るのか|前歯だけの部分矯正が向く場合と向かない場合

 

 

Q&A

 

Q. インビザラインは痛いですか?

インビザラインは歯を少しずつ動かすため、装置交換後や装着初期に違和感や軽い痛みを感じることがあります。ただし、ワイヤー矯正と比較すると力が穏やかなため、痛みは比較的軽いと感じる方が多い傾向にあります。多くの場合、数日で落ち着くことが一般的です。

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インビザラインは痛いですか?マウスピース矯正の痛みをワイヤー矯正との比較を解説してみました

 

Q. インビザラインはどのくらいの期間がかかりますか?

治療期間は歯並びの状態によって異なりますが、一般的には2年程度が目安となります。軽度の歯並びであればそれより短く終わることもありますが、複雑な症例ではワイヤー矯正が適している場合もあります。正確な期間は検査・診断によって判断していきます。

 

Q. インビザラインは誰でもできますか?

インビザラインは多くの歯並びに対応可能ですが、すべての方に適しているわけではありません。歯の大きな移動や抜歯を伴う症例、かみ合わせの問題が強い場合などは、ワイヤー矯正の方が適していることもあります。また、最近はワイヤー矯正とインビザラインを組み合わせた治療方法も存在します。いずれにしても、専門的な診断を受けたうえで治療方法を選択することが大切です。

インビザラインとワイヤー矯正を併用する治療とは。メリット・デメリットを解説してみます

 

 

まとめ

 

 

・透明で目立ちにくいインビザライン(マウスピース矯正)は、生活と両立しやすい矯正方法です。

・素材・設計・アタッチメント・装着時間が結果を左右し、主治医管理のもとでのリファインメントが成功の鍵です。

・当院は最長5年のリファインメント対応で、最終的な咬合の獲得まで伴走します。初回相談で、あなたに合う選択肢(白いワイヤーによるワイヤー矯正/舌側矯正/インビザライン)を一緒に検討しましょう。

なお、当院では、インビザラインの特集サイトもご用意しておりますので、合わせてご覧いただけますと幸いです。

 

インビザライン特集サイト

 

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当院の初診相談の流れについて【茨城県石岡市の矯正歯科クリニック・石岡みらい矯正歯科】

 

本格矯正治療について 【茨城県石岡市の矯正歯科専門医院・石岡みらい矯正歯科】

 

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当院では石岡市をはじめ、土浦市・水戸市・つくば市・小美玉市・かすみがうら市・鉾田市・笠間市など、茨城県内のさまざまな地域から患者さまにご来院いただいております。日本矯正歯科学会認定医と日本専門医機構矯正歯科専門医が在籍しています。

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Rossini G, Parrini S, Castroflorio T, Deregibus A, Debernardi CL. Efficacy of clear aligners in controlling orthodontic tooth movement. Angle Orthod. 2015;85(5):881-889.

Galan-Lopez L, et al. Accuracy and efficiency of clear aligner treatment: systematic review. J Clin Exp Dent. 2019;11(7):e602-e608.  

Alwafi A, et al. Overview of systematic reviews/meta-analyses on clear aligners. J Evid Based Dent Pract. 2023;23(1).  

Nemec M, et al. Human oral epithelial cell behavior on Invisalign SmartTrack material. Dent J. 2020;8(4):130.  

Medeiros RB, et al. Accuracy of arch expansion with EX30 vs SmartTrack in Invisalign. Angle Orthod. 2024.  

Yangın A, et al. Clear Aligner Attachments: A Comprehensive Review. Turk J Orthod. 2025;39(3):177-189.  

Menegussi J, et al. Influence of attachments on adaptability/effectiveness. Sci Rep. 2025.  

Hennessy J, et al. Biweekly aligner changes; RCT protocol. Eur J Orthod. 2016;38(6).

American Dental Association (ADA). Policy opposing direct-to-consumer dentistry.  

American Association of Orthodontists (AAO). Health risks of mail-order orthodontics.

目立ちにくい矯正装置 – ハーフリンガルの矯正治療【茨城県石岡市の矯正専門クリニック・石岡みらい矯正歯科】

上顎だけの舌側矯正(ハーフリンガル)という選択肢

 

こんにちは。茨城県石岡市、小美玉市、かすみがうら市、土浦市の矯正歯科クリニックの石岡みらい矯正歯科・院長の丸岡亮です。

 

ワイヤー矯正を検討している方の中には、「装置が目立つのは避けたい」という理由で治療を迷う方が少なくありません。

目立ちにくさを重視した選択肢のひとつが、上顎は舌側(裏側)・下顎は表側で治療するハーフリンガルです。真正面から見た時の印象を大きく変えずに、ワイヤー矯正の安定したコントロールを両立できる方法として注目されています。

審美性の要望が強まる近年、舌側装置は「見えにくい矯正」として選ばれることが増えてきています。 近年の文献でも、ハーフリンガルは審美性と快適性・コストのバランスが取れる選択になりうる、と示唆されています。  

↑ 上顎のみのハーフリンガル矯正のイメージ。下顎はセラミックブラケットとホワイトワイヤーを装着しています。

 

1.ハーフリンガルとは?

上顎のブラケットを舌側(歯の裏側)に、下顎は表側に装着する治療法です。

舌側装置は1970年代に報告され、審美性を求める成人矯正の広がりとともに発展してきている装置になります。

 

2.ハーフリンガルのメリット

①正面からほぼ見えにくい
口元、特に上顎の前歯は笑顔で最も視線が集まる部位とされています。装置を表側ではなく、舌側に装着することで、会話・写真・ビデオ会議でも装置の存在感を抑えられます。

下顎の表側には装置が装着されますが、唇に隠れて見えないことも多いかと思います。また、ホワイトワイヤーを組み合わせることで見た目の違和感を減らすことが可能です。

↑ ハーフリンガルの一例。

 

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②上顎はホワイトニングができる

ワイヤー矯正の装置がついていると、ホワイトニング剤が浸透しにくくなるため、メーカーからはお勧めされていません。舌側矯正ではワイヤーの装置が舌側にあるため、カスタムトレーなどを調整することで、ホワイトニングをすることが可能になります。

 

③発音・咀嚼への慣れが比較的得やすい(上下顎のフルリンガルとの比較)

舌の可動域に影響しやすいのは主に上顎装置ですが、下顎に表側を採用することで舌の干渉量がフルリンガルより軽減されるケースがあります。

 

④舌の痛みが軽減される(上下顎のフルリンガルとの比較)

下顎歯列の舌側にマルチブラケット装置が装着されると、舌の下の部分に装置が当たることになります。舌の下は表側に比べて柔らかい組織ですので、粘膜を損傷しやすく、口内炎などの症状ができやすいと思われます。

 

⑤清掃性が向上(上下顎のフルリンガルとの比較)

特に下顎前歯の舌側は歯石が溜まりやすい代表的な部分になります。そのため、下顎前歯舌側にマルチブラケット装置が装着されていると、汚れが溜まりやすく、摩擦の増大など、治療が遅延する可能性があります。

 

⑥治療にかかる費用が安価(上下顎のフルリンガルとの比較)

舌側矯正の装置は、表側の治療方法とは異なり、歯につけるブラケットをカスタムメイド(オーダーメイド)で作る必要があります。また、使用するワイヤーが表側よりも数量が出ていないためか、高価です。そのため全体的に治療費は高価になります。ハーフリンガルはフルリンガルに比べ、下顎にカスタムメイドのブラケットを作成する必要がなくなるため、一般的にフルリンガルより安価で治療が可能です。

 

⑦治療を中断せずにライフイベントに臨める

特に20代の方で矯正治療を検討している方には、結婚式などのイベントを予定あるいは将来的にあるかもしれない、といった心配になり、矯正治療に踏み切れない方もいらっしゃいます。一時的にワイヤー矯正を外すこともできますが、舌側矯正ではそういった心配が少し減るのではないでしょうか。

↑ 結婚式までに前歯のがたがたを取りたいという要望も多くあります

 

⑧ワイヤー矯正の強みを活かせる(マウスピース型矯正装置との比較)

見た目への影響を抑える治療方法として、マウスピース型矯正装置を選択する方も増えてきています。一方で、症例の幅の制限がまだ存在するのが現状です。舌側矯正治療は表側のワイヤー矯正に近い適応範囲と精度を保ちつつ、審美面を確保できる治療方法であるとするレビューもあります。  

 

2.ハーフリンガルのデメリット

①治療開始後の発音変化や舌側の違和感
舌に近接する上顎装置により、「さ行」や「た行」で発音が乱れやすいとされます。滑舌については、数日~数週で順応することが多いと報告されています。  

 

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②清掃の難しさ(特に上顎舌側)
舌側は視認性が低く、プラーク蓄積や歯肉炎リスクが上がる可能性が示されています。適切な清掃指導と補助器具の併用が重要です。  

↑ 特に歯肉との境目の清掃が重要です

 

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③費用・装置の作製性
舌側側は装置の製作工程が複雑になりやすく、費用が上がる傾向があります(医院により異なります)。  

 

④下顎の前歯が見えやすい咬み合わせの方(治療初期)

ハーフリンガルは下顎は表側にワイヤー矯正の装置がつきます。下顎が前に出ている下顎前突の症例など下顎前歯が見えやすい状態の方では見た目のメリットは失われてしまいます。もちろん、治療が進み、下顎前歯が見えなくなる場合は、メリットを得られるようになります。

↑ 下顎前突の方がその代表例です

 

3.ハーフリンガルをお勧めできる方・向いていない方

①向いている方

・人前に出る機会が多く、「正面からの見えにくさ」を最優先したい方

・インビザラインでは適応外と言われたが、見た目と治療の精度を両立したい方

 

②向いていない可能性がある方

・舌側の違和感に敏感な方

・通訳、声優など職業的に発声が重要な職業の方

(一方、芸能人も舌側矯正で治療を行っている方がいるようです)

・ブラッシングが苦手で、見えにくい部位の清掃に不安が強い方

 

4.よくある質問(Q&A)

 

Q. 痛みはフルリンガルや表側と比べてどうですか?

A. 個人差はありますが、全体的な痛みの強さは大差がないとする報告もあります。初期は舌側の違和感が主訴になりやすく、数日~数週で慣れる方が多いです。 

 

Q. むし歯・歯ぐきの腫れが心配です。

A. 舌側は見えにくい分、ブラッシングを正確にできるかがカギです。正しい清掃と定期メインテナンスでリスク低減が可能で、部位によってはう蝕リスクが必ずしも高くならないとする所見もあります。 

 

まとめ

・上顎が裏側+下顎が表側のハーフリンガルの矯正治療は、正面からの見えにくさとワイヤー矯正の利点を両立しやすい選択肢です。

・治療開始時の一時的な発音変化・清掃の難しさは、練習と指導で乗り越えられることが多いとされています

・職業やライフスタイルなどを踏まえ、ひとりひとりに適した治療方法を検討する必要があります。気になる方は表側のワイヤー矯正、インビザラインなど複数の治療方法を取り扱っている矯正専門クリニックなどにご相談されることをお勧めいたします。  

 

概要に関して、動画も作成いたしました。よろしければ、ご覧ください。(音声が出る場合があります)

ハーフリンガル矯正のご紹介

 

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List of probably useful references

Rai AK, Rozario J, Parkhedkar R. Comparison of speech performance in labial and lingual orthodontics. J Orthod Sci. 2014;3(2):38-42.  

Chen J, Wan J, You L. Speech and orthodontic appliances: a systematic literature review. Eur J Orthod. 2018;40(1):29-36.  

Long H, Zhou Y, Pyakurel U, et al. Comparison of adverse effects between lingual and labial orthodontic treatment: A systematic review. Angle Orthod. 2013;83(6):1066-1073.  

Zhai M, Yang H, Kong X, et al. Periodontal parameters in fixed labial and lingual orthodontic treatment: a narrative review. Dent J (Basel). 2022;10(10):189.  

Yuan L, Zhou Y, Wang X, et al. Comparison of functional impairments and discomfort with lingual, labial, and mixed appliances during orthodontic treatment: a cross-sectional study. BMC Oral Health. 2024.  

Behnaz M, Farhadian M, Gholami M. Lingual orthodontic treatment: efficacy and complications―A review. APOS Trends Orthod. 2019;9(4):227-235.

Nandakumar S, Duraipandian V, Periyasamy P. Implications of lingual orthodontics compared to conventional appliances: A review. Cureus. 2024;16.  

Fujita K. New orthodontic treatment with lingual bracket and mushroom archwire appliance. Am J Orthod. 1979;76:657-675.

Malhotra Y, Narang R, Goel S. Lingual Orthodontics: History revisiting―A review. J Adv Med Dent Sci Res. 2020;8(8):115-118.  

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本格矯正治療について 【茨城県石岡市の矯正歯科専門医院・石岡みらい矯正歯科】

永久歯列期の本格矯正治療とは ― 個性正常咬合へのアプローチ ―

 

こんにちは。茨城県石岡市、小美玉市、かすみがうら市、土浦市の矯正歯科医院の石岡みらい矯正歯科・院長の丸岡です。

今回は改めまして、当院で行なっている本格矯正治療について、概要についてお伝えできればと思い、まとめさせていただきました。ぜひ、最後までお読みいただけますと幸いです。

 

はじめに

石岡みらい矯正歯科では、成長期のお子さまの早期矯正治療(小児矯正、第一期矯正治療)から、永久歯列に移行した後、または成人の方の本格矯正治療(永久歯列期矯正治療、第二期矯正治療)まで、トータルに矯正治療をご案内しております。

 

1. 永久歯列期の矯正治療(本格矯正治療)の概要

永久歯列期とは、すべてある程度の永久歯が生えそろった時期を指し、歯列・噛み合わせの安定・審美性を総合的に整えていく段階です。

不正咬合(例:叢生・上顎前突・反対咬合・開咬など)を診断し、患者さまそれぞれの個性正常咬合を目指して治療を進めます。

個性正常咬合とは、単にきれいに並んだ歯というだけでなく、ご自身の骨格・顔貌・機能を踏まえて、長期に安定・健康的・審美的な状態を実現するための咬合を意味します。

当院では、セファログラムを含む各種レントゲン・歯科用CT・顔面/口腔内3Dスキャンなどの診断機器を活用し、患者さんそれぞれの骨格・歯列・軟組織(舌・口唇の位置など)を総合的に評価したうえで治療計画を立案しています。

治療期間・装置選択・通院頻度・メインテナンスなどについても、患者さま・ご家族としっかり相談のうえ決定いたします。

 

2. 矯正歯科治療のメリット

永久歯列期にきちんと矯正治療を行うことで、一般的には以下のようなメリットが期待できるとされています。

 

咬合機能の回復(咬み合わせの改善):

上下の歯が適切にかみ合うことで、食べ物を効率よく咬む・咀嚼する機能が得られます。

 

むし歯、歯周病の予防(メンテナンスのしやすさ):

歯間・歯肉縁下・ブラッシングが難しい部位が減り、虫歯・歯周病予防がしやすくなります。

 

咬合性外傷の改善(歯の長期安定)

歯が正しい位置・角度に納まることで、将来的な歯列崩壊・移動・歯周トラブルのリスクが低下します。

 

顔貌・発音・口腔機能の改善

開咬・反対咬合などがあると発音や舌の機能に影響することがありますが、矯正治療によって改善が期待されます。

 

審美的向上

整った歯列・美しいスマイルライン・口元のバランス改善など、見た目の自信につながります。

 

↑ 咬合を治すことで、口元の見た目の改善も期待できます

 

3. ワイヤー矯正の概要

最も一般的な矯正装置が「ワイヤー矯正」です。

歯にブラケット(矯正用装置)を付け、そこにワイヤーを通して歯を動かす力(矯正力)をかけていきます。

年々、ブラケットの形状・ワイヤーの材質・摩擦抵抗・患者さまの快適性などが向上しています。

当院では「白いワイヤー」「粘膜の刺激が小さくなる小さめのブラケット」「摩擦の少ないブラケット」「弱い持続的な力をかけることで治療初期の痛みを軽減できるニッケルチタンワイヤー」を使用するなど、患者さまの負担を最小化する工夫を行っています。

 

ワイヤー矯正の強み:

比較的幅広い症例に適用できる、治療実績が多く信頼性が高い、などが挙げられます。

 

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摩擦の少ないセルフライゲーションブラケットについて

 

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4. 舌側矯正・インビザラインの概要

①舌側矯正(リンガル矯正)

マルチブラケット装置を歯の裏側(舌側)につける矯正治療です。

表側から矯正装置が見えにくいため「見た目が気になる方」「職業上装置が目立つのを避けたい方」に適しています。

裏側の装置ゆえに初期の違和感や発音の変化が出ることがあるため、当院では装着後の丁寧なフォロー・発音チェックを行っています。

ブラッシング指導やパウダークリーニングも併用し、虫歯予防にも配慮します。

 

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ハーフリンガルについて

舌側矯正治療中のブラッシングについて

 

②インビザライン(マウスピース型矯正装置)

透明なマウスピースを数十枚使用して少しずつ歯を移動させる方式です。取り外し可能という特長があります。

当院では、症例ごとに適応可能か正確に診断した上でインビザラインによる治療もご提案しています。

生活シーン(食事・ブラッシング・スポーツ)・患者さまの希望・通院負担などを総合して装置の選択を行います。

 

メリット:装置が比較的目立ちにくい・取り外せるのでブラッシング・食事がしやすい・清掃性が高い

デメリット:装着時間の遵守が重要(1日20~22時間目安)・適応症例がやや限定される

 

ワイヤー矯正・舌側矯正・インビザライン、それぞれにメリット・デメリットがあります。

カウンセリングと検査によって、患者さまに最も適した方式をご提案するようにしております。

 

5. リテーナー(保定装置)の必要性

矯正治療によって歯を動かした後、歯列・咬合・軟組織(舌・口唇・頬など)のバランスが整った状態でも、歯が元の位置に戻ろうとする力(後戻り)」が必ず存在します。

それを防ぐためにリテーナー(保定装置)を使用し、一定期間・あるいは長期にわたって歯の位置を安定化させます。

 

当院では、治療終了時に取り外し式または固定式のリテーナーを装着していただきます。

使用時間やその後の通院と経過確認についてをお話しし、保定期間中もパウダークリーニング・定期検査を継続して行います。

リテーナーを適切に使用することで、せっかくの矯正治療の成果を長期にわたって守ることができるとされています。

 

6. 治療開始前の流れについて

当院で本格矯正治療を始める際の一般的な流れをご紹介いたします。

①相談(初回カウンセリング)
歯並び・噛み合わせ・ご希望・お悩みをお伺いします。検査や治療の大まかなご説明を行い、ご不明点を整理します。

 

②矯正学的検査
口腔内写真・歯列模型(デジタルスキャン)・顔面・横顔写真・レントゲン(パノラマ/セファログラム)・歯科用CT撮影・3Dスキャンなどを行います。

また、口腔衛生状態・虫歯・歯周病のチェックも含まれます。

 

③診断・治療計画のご提示
検査データを基に、不正咬合の分類・骨格条件・歯列移動のシミュレーション・装置選択・治療期間・通院頻度・費用・リスク・代替案をご説明します。患者さま・ご家族と十分に相談の上、最終的な治療方針を決定いたします。

 

④治療開始
調整装置(ワイヤー・マウスピース・舌側装置等)の装着をスタートし、通院・清掃フォロー・定期検査を行いながら、歯の移動を進めていきます。

 

⑤保定・メインテナンス期
装置が外れた後はリテーナーを使用し、定期メインテナンスを継続します。当院では、矯正期間中・保定期間中ともに、虫歯予防・歯周病予防・ブラッシング指導・パウダークリーニングを重要視しております。

 

おわりに

永久歯列期の本格矯正治療は、歯並び・噛み合わせ・口元の印象・長期的な口腔の健康をトータルに考える大切なステップです。

装置の種類・治療方法・通院回数・清掃管理など、患者さまごとに最適なプランをご提案しております。

矯正治療をご検討中の方、あるいは「いつから始めたら良いのか」「自分の歯並びはどうなのか」迷われている方も、まずはお気軽にご相談ください。時間をしっかりと確保し、院長がじっくりお話しをお伺いいたします。

 

⭐︎上記の内容を動画にまとめてありますので、そちらもご参照ください。

(音声が出る場合があります)

ホワイトワイヤーについての解説動画もございます。ぜひ、ご覧ください。

ハーフリンガルの矯正装置について

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目立ちにくい矯正装置 – 舌側矯正について【茨城県石岡市の矯正歯科クリニック・石岡みらい矯正歯科】

舌側矯正治療(リンガル矯正)について

 

こんにちは。茨城県石岡市、小美玉市、かすみがうら市、土浦市の矯正歯科クリニック・石岡みらい矯正歯科の丸岡亮です。

今日は舌側矯正(裏側矯正、リンガル矯正)の全体像をまとめてみました。見えずらい矯正治療をご希望の方のご参考になれば幸いです。

 

1. 見た目が気になって治療に踏み切れない方へ

歯並びは気になるけど、ワイヤー矯正は「目立つのが不安」という理由で、最初の一歩が出にくいことがあります。

舌側矯正は、歯の裏側(舌側)に装置をつけるため、正面からほとんど見えません。審美面を重視したい方の有力な選択肢です。

最新のレビューでも、審美性の高さが舌側矯正の第一の利点として繰り返し示されています。

↑ 正面から見えにくいのが舌側矯正の大きな利点になります

 

2. 治療方法の選択肢の一つ:舌側矯正とは?

舌側矯正は、歯の裏側にブラケットとワイヤーを装着して歯を動かす固定式矯正治療です。

1970年代に日本の藤田幸弘先生の報告や、米国のCraven Kurz先生の開発を起点に本格的に普及が進み、現在はデジタル設計やカスタムブラケットの登場で適応が広がっています。 

↑ 当院の舌側矯正ブラケットの一例

 

3. 舌側矯正のメリット

①正面から見えにくい

学校・職場・人前に出る機会が多い方でも、心理的なハードルが下がり始めやすいのではないかと思います。

  

②う蝕(白斑)のリスク面で有利な可能性:

ワイヤー矯正をはじめとした固定式装置は白斑(ホワイトスポット)と呼ばれる歯の表面の変色や初期むし歯のリスクを高めますが、白斑は表側のほうが多く発生したという研究報告があります(装置外し後の評価)。

※個人差が大きく、ケアを怠ると舌側でも生じます。  

 

4. 舌側矯正のデメリット

①発音の慣れ:

装着直後はさ行やた行などの発音などに影響が出やすく、表側より発話困難の発生確率が高いとするメタ解析(精度の高い複数の研究をまとめたもの)があります。多くは数週間で順応します。  

 

②舌の違和感・擦れ:

痛み自体は全体としては表側のワイヤー矯正と同程度とされています。しかし、舌の痛みは舌側で出やすい傾向が示されています。  

 

③清掃の難しさ:

装置が歯頚部寄り(歯と歯肉の間の近く)につくためプラークが停滞しやすい部位が生じます。観察研究やレビューでも、舌側面のプラーク・歯石の付着増加が指摘されています。

 

④治療期間が長くなる可能性:

舌側矯正に用いる装置は患者さんごとのオーダーメードで作る必要があります。そのため、治療開始前にお時間を要します。また、メカニクスの関係上、全体的な治療期間がかかる場合が多くあります。

(治療期間に差がないという意見もありますが、明確なエビデンスは不足しています)

 

いずれもほとんどは時間の経過と清掃習慣の確立で多くがコントロール可能です。当院では装着前からの説明と、装着後のこまめなフォローで慣れを支援します。 

 

5. 行ったほうがよいメンテナンス

①毎日のセルフケア:

通常の歯ブラシに加え、ワンタフトブラシ + フロスや歯間ブラシ・ジェットウォッシャーなどをお使いいただき、特に見えずらい歯頚部とブラケット周囲を丁寧に行っていただくと良いかと思います。

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②定期的なメンテナンス:

定期的に矯正歯科医院(または、かかりつけの歯科医院)に通っていただき、装置周囲の十分な掃除(PMTC、プロフェッショナルクリーニング)、磨き残しのチェックや歯ブラシ指導、ホワイトスポットなどの早期発見をしてもらうのをお勧めします。

 

③発音の練習:

特に治療初期は滑舌に影響がある場合があります。

(当院では小さいブラケットを採用していますので、以前より影響は小さくなってきています。)

発音はゆっくり・はっきりを意識し、滑舌のトレーニングを短時間でも繰り返していただくと、数週間で馴染むケースが多いです。  

↑ 当院で用いている滑舌練習メニューの一例

 

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6. よくある質問(Q&A)

Q. 仕事で人前に出ることが多いのですが、発音はどれくらいで慣れますか?

A. 個人差はありますが、表側は約1週間、舌側は数週間かけて改善する傾向が示されています。初期の滑舌の練習と慣れの期間を見越したスケジューリングが必要になりますので、あらかじめ担当医と相談しましょう。 

 

Q. 白い跡(白斑)が心配です。舌側は有利と聞きましたが本当ですか?

A. 白斑はケア次第です。ただし発生は表側のほうが多かったとする研究もあります。舌側でも油断は禁物です。装置周囲の清掃を毎日ルーティン化しましょう。 

 

Q. 痛みは表側と比べてどうですか?

A. 全体の痛みは同程度というメタ解析がある一方、舌の痛みは出やすく、唇や頬の痛みは出にくいという傾向が示されています。適切なワックス・研磨・調整で多くが和らぎます。 

 

7. まとめ

・舌側矯正は審美性が最大の利点。

・一方で発音の慣れ・舌の違和感・清掃難度が課題。ただし多くは時間と正しいケアでコントロール可能です。

 

舌側矯正は見た目を気にしている方には大変興味のある治療方法かと思います。一方で、表側のワイヤー矯正とは違う点が、メカニクスやケアの方法などに存在します。

 

また、舌側矯正をお勧めしにくい症例もあります。

気になる場合は、まずは矯正治療専門の先生またはかかりつけの先生に相談してみてください。

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当院では石岡市をはじめ、土浦市・水戸市・つくば市・小美玉市・かすみがうら市・鉾田市・笠間市など、茨城県内のさまざまな地域から患者さまにご来院いただいております。日本矯正歯科学会認定医と日本専門医機構矯正歯科専門医が在籍しています。

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摩擦の少ない矯正装置 – セルフライゲーションブラケット【茨城県石岡市の矯正歯科クリニック・石岡みらい矯正歯科】

こんにちは。茨城県石岡市、小美玉市、かすみがうら市、土浦市の矯正歯科クリニック・石岡みらい矯正歯科の丸岡亮です。

ワイヤー矯正では、装置をつけた直後~数日間に「締めつけられるような痛み」「違和感」が出やすいのが事実です。これは歯を動かす力が歯や歯根膜・骨に伝わる生体反応によるもので、誰にでも起こり得ます。

一方で、初期のレベリング(デコボコをならす段階)は弱い力で効率よく進められるほど、違和感や痛みの軽減につながる可能性があります。

 

近年、その選択肢のひとつとして「セルフライゲーションブラケット(以下SLブラケット)」が広く使われています。SLはブラケットにフタクリップがあり、結紮線を使わずにワイヤーを固定できるのが特徴で、適切に使えば効率よく治療を進められる可能性があると考えられます。

今回は、このセルフライゲーションブラケットについてまとめましたので、お伝えできればと思います。

↑ セルフライゲーションブラケットの一例。見た目は普通のブラケットと大きな違いはありません(トミーインターナショナル社)

 

1.セルフライゲーションブラケットとは

構造と仕組み:ブラケットにスライド式のフタやスプリングクリップが付属し、ワイヤーを「自動的(self)に結紮(ligation)」します。

↑ 普通のブラケットに金属製またはセラミック製のクリップが付いています。(トミーインターナショナル社)

 

↑ ワイヤーの滑りと見た目を重視し、クリップをロジウムコーティングしているものもあります(JM Ortho社)

 

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↑ 見た目を重視し、セラミックで装飾されたクリップを採用しているものもあります(JM Ortho社)

 

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セラミックブラケットについて

 

種類:パッシブ型(ワイヤーがスロット内で比較的自由に動きやすい)と、アクティブ型(クリップがワイヤーを押さえ込みやすい)に大別されます。パッシブ型の方が摩擦が低いという報告が多数あります。

↑ クリップを開け閉めすることでワイヤーをブラケットに装着します(トミーインターナショナル社)

 

歴史:1990年代以降に商用化が進み、チェアタイムの短縮や操作性が先行して評価され、2000年代に一気に普及しました。

 

2.SLブラケットの利点

①ワイヤー交換、装着が効率的

結紮操作が不要になるため、 患者さんにとっては口を開ける時間が減り、治療時の不快感が減少します。 

 

②摩擦が少ない

矯正治療の多くの場面では、いくつかの方法で歯の動きを妨げてしまう「摩擦」を抑える配慮をします。

治療開始直後は歯列がデコボコしているため、ワイヤーがねじれたり、力が一部の歯に集中しやすくなります。そのため、ブラケットとワイヤーの間に生じる摩擦や、結紮線・ゴムによる締めつけ感が不快感の一因と考えらえれています。

SLブラケット(特にパッシブ型)は、構造上「強い結紮」を避けながらワイヤーを保持できる設計なので、初期の丸線での通しやすさ・通過性が得られるケースがあります。(ただし、ワイヤー径が太くなる段階や角線・トルク表現では差が小さくなります。)

↑ クリップとワイヤーの摩擦を軽減できます(トミーインターナショナル社)

 

↑ 治療初期につけたセルフライゲーションブラケット

 

装置の種類で痛みゼロになるわけではありませんが、過度な力や不要な摩擦は避けるのが基本とされています。SLブラケットは結紮線の締め付けを使わないため、スライディング時を中心に摩擦を低くできる場面があると報告されています。

患者さんからの感想を聞くと、SLブラケット導入前後で、痛みに関する感想に変化があるのを感じています。一方、痛みの強さそのものはSLと従来型で大差なしとする比較試験も多数ありますので、さらなる今後の調査研究が待たれます。

 

③結紮線の端が当たりにくい

治療初期のレベリングでは、歯の傾きや捻転、位置のずれを直していきますが、最も歯が大きく動く段階でもあります。

そのため、従来の結紮では、歯が動いた際に、細い結紮線の切り端が頬粘膜や唇に触れて痛むことがあります。治療の際は、当たりそうなところを保護剤などでカバーしたり、曲げ込み方を工夫して予防しますが、完全にはリスクを排除できません。

SLブラケットは基本的に結紮線を使わないため、この「端っこ問題が起こりにくい」のは実臨床での実感としてもわかりやすい利点です。口腔粘膜の機械的刺激が潰瘍を誘発しうる点は歯科全般で知られています。

 

④その他

口腔清掃性に関する指標が良好になる可能性(プラーク・BOPの一部指標で優位の報告。ただし研究のばらつきがあります)があります。

 

3.欠点

①装置のコストが高い

構造が複雑なため、治療費が高くなる傾向があります。

 

②クリップが壊れる可能性

臨床経験上、ワイヤーをつけたり外している際にクリップが壊れてしまうことを経験しています。(最近では商品改良が進み、明らかにその頻度は減ってきています。)壊れた場合は新しいブラケットに速やかにつけ直しを行います。

 

よくある質問(Q & A)

Q. 治療が“早く終わる”のですか?

A. 総治療期間や最終的な噛み合わせの質は、大差がないとする総説が優勢です。口を開けている時間は短縮しやすい―ここが実際的な利点です。

 

Q. 清掃しやすいですか?虫歯や歯肉炎に有利?

A. プラーク付着やBOPが少ないとする報告もありますが、研究の質や条件がまちまちで慎重な解釈が必要です。装置の種類に関わらず、正しいブラッシング・補助用具・プロケアが最重要です。

 

まとめ

SLブラケットは結紮が不要なため、初期段階の治療の効率やチェアタイム短縮が見込める装置です。

大切なのは装置そのものより、力のコントロールなど、フォースシステムと呼ばれる治療のやり方です。

当院では患者さん一人一人のお口と生活に合わせて、不快感を減らして、快適に治療ができるように工夫をしてまいります。

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白い矯正装置 – ホワイトワイヤーについて②【茨城県石岡市の矯正歯科クリニック・石岡みらい矯正歯科】

目立ちにくいワイヤー – ロジウムコーティング(ホワイトワイヤー)について

 

こんにちは、石岡市、小美玉市、かすみがうら市、土浦市の矯正歯科クリニック・石岡みらい矯正歯科・院長の丸岡です。

 

表側からのワイヤー矯正治療でも、仕事や学校、写真の場面で「装置をできるだけ目立たせたくない」というご希望を多くいただきます。

金属色のブラケットや銀色のワイヤーはどうしても装置の存在感が気になる方も少なくありません。

 

そこで近年は、「ホワイトワイヤー(審美ワイヤー)」とクリアブラケット/白いセラミックブラケットを組み合わせることで、見た目の印象をやわらげる方法が少しずつ、一般的になってきました。

その審美ワイヤーの中でも、ロジウムコーティングされたワイヤーは、自然な白銀色で目立ちにくい選択肢の一つです。

今回はそのロジウムコーテイングされたホワイトワイヤーについてまとめましたので、お伝えさせていただきたいと思います。

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1.ロジウムとは?

基本的には、通常に使用するワイヤーに「ロジウム」という金属をコーティングしたワイヤーになります。

ロジウムはプラチナ族金属の一種で、銀白色で高光沢、高い硬度、熱、化学耐性があり高い耐食性を持つのが特徴の金属です。

↑ ロジウムと呼ばれる金属。やや白っぽい鉱物になります (参照)

主に、南アフリカで8割近くが生産されるようです。(国内メーカーの人からはコーテイングの材料となるロジウムはロシアから輸入していると聞いたこともあります)

上記の白っぽい金属の色でありながら、耐久性に優れているので、ジュエリーなどの表面コーティングにも使用されているようです。

 

2.基本的な組成

ロジウムコーテイングされた矯正用ワイヤーは以下のような組成になります。

ベース材:一般的にはニッケルチタン(NiTi)やステンレススチールなど、通常の矯正ワイヤーと同じ素材。

表面:ロジウムを、電解めっき(ロジウム浴)でごく薄く被覆したものです。塗料やポリマー塗膜ではなく「金属コーティング」である点が特徴です。 

つまり、「塗装」ではなく、いわゆる「めっき」になります。

そのため、色調が比較的安定しやすく、コーティングの欠けや黄ばみが目立ちにくいとされています。

ロジウムコーティングは、ポリマー系(エポキシやPTFE=テフロン)コーティングと比較して、光沢を抑えた白銀色で、清潔感のある見た目になりやすいのが利点です。

評価研究でも、ロジウムコートは審美性が高いと判断される傾向が示されています。 

一方で、全くの「純白」ではなくわずかに金属みを帯びた白銀色です。真っ白いワイヤー像をお持ちの方には、事前に色味のギャップをご説明しております。 

↑ 従来のワイヤーとの比較。白っぽい印象になります。(バイドデント社)

 

 

3.利点

①色が保たれやすい:

塗料を使わない金属コーティングのため、コーテイングも剥がれにくく、また色素の沈着、黄ばみが他のコーテイングと比べ起きにくいとされています。 

②表面特性が矯正治療に好ましい:

ロジウムコーティングを施した場合でも、粗さや硬さがベース材と同等レベルに保たれ得るという報告があり、審美コーティングの中では滑らかで耐久性のバランスが良いと評価されることがあります。 

また、ロジウムコーテイングのワイヤーはいわゆる一般的なホワイトワイヤー(エポキシ等の塗料でコーテイングしたもの)と比べて摩擦が少なめとする報告があります。

③生体に優しい可能性

生体適合性の観点からは、in vitro(実験室)の研究で、ロジウム被覆NiTiの細胞毒性(身体への悪影響)がコーティングしないワイヤーより低いとする報告があり、金属イオン暴露低減の可能性が示されています。 

 

4.欠点・注意点

①色味は「真っ白」ではない:

白銀色でわずかに金属性のツヤが残ります。完全な白を求める方にはギャップとなる場合があります。 

②価格が高価:一般的な金属ワイヤーよりコストが高めです。そのため、クリニックによっては追加料金が必要だったり、治療費の総額を高く設定していることが多いと思われます。

③コーティングの耐久性は条件依存(臨床上は問題ないかと思います):
一部のフッ素系洗口液や乳酸菌サプリによって色変化や表面変化が生じうるという報告があります。ワイヤーは定期的に交換するのもですので、臨床経験上、審美性を大きく失った経験はありません。

 

5.白色ワイヤーの比較

・エポキシ/ポリマー系(一般的な塗料を施したホワイトワイヤー):発色は白く目立ちにくい一方、着色・剥離の懸念があり、摩擦増大の報告もあります。 

・PTFE(テフロン)系:比較的摩擦が低いとするデータもあるが、コーティングの摩耗・色変化が生じやすい報告もあります。 

・ロジウム:色の安定性と表面特性のバランスに利点があり、審美性評価でも良好とされる報告がある一方、わずかな白っぽい金属の色になります。私は「白と銀色の間の色になります」と説明をしています。 

↑ 一般的なホワイトワイヤー(上顎)とロジウムコーティングされたホワイトワイヤー(下顎)の比較イメージ。やや金属の色味が残りますが、耐久性に優れています。

 

6.よくあるご質問

Q1. 本当に目立ちにくくなりますか?

A. 金属ワイヤーより白銀色で反射が穏やかになり、全体として装置が目立ちにくくなる方が多いです。ただし純白ではないため、ブラケットやゴムとの色合わせで印象が変わります。

 

Q2. 食べ物や飲み物で黄ばみませんか?

ロジウムをめっきされたワイヤーのため、ポリマー塗装のホワイトワイヤーに比べ色変化は起きにくい傾向です。

 

Q3. 歯の動き(摩擦)に影響しませんか?

A. 装置の組み合わせや環境で変わるため一概に言えません。ロジウムは審美ワイヤーの中では摩擦が小さいとする報告が多いように思います。他のホワイトワイヤーも含めて、その特性を理解し、適切なフォースシステムを組むことによってしっかり治療を進めることができます。

 

まとめ

・表側矯正でも「目立ちにくさ」を重視するなら、ロジウムコーティングされた白色ワイヤーは有力な選択肢です。色調の安定性・表面特性のバランスに優れ、審美評価でも好印象という報告があります。 

・ただし完全な純白ではない色味、コスト、使用環境による色調・表面変化などの注意点があります。日々のメインテナンス(ブラッシングなど)が大切になります。 

 

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目立たない矯正装置 – クリアブラケットについて【茨城県石岡市の矯正歯科クリニック・石岡みらい矯正歯科】

目立ちにくい表側矯正 ― クリアブラケットという選択

 

こんにちは。茨城県石岡市、小美玉市、かすみがうら市、土浦市の矯正歯科クリニック、石岡みらい矯正歯科・院長の丸岡です。

 

表側のワイヤー矯正を検討される方から、「できるだけ目立たない方法がいい」「金属のブラケットやワイヤーは避けたい」というご相談をとても多くいただきます。

目立ちにくいブラケットとして、白いセラミックブラケットに加えて、歯の色が透けて見えるクリアブラケット(透明ブラケット)という選択肢もあります。

見た目・強さ・摩擦・外れにくさなど、それぞれ特性が異なりますので、今日はクリアブラケットの基本とメリット・デメリットを分かりやすく解説します。

 

1.クリアブラケットとは?

見た目に配慮した審美ブラケットの一種で、歯の色を通す透明感が特長です。

素材は大きくセラミック(サファイア/多結晶アルミナなど)とプラスチック(ポリアミド、ポリカーボネート等)に分かれます。

①セラミック

特徴:高い透明度、色の安定性、十分な強度を有しています

↑ 透明なセラミックブラケットの一例(JM Ortho社)

 

②プラスチック
特徴:透明、安価、セラミックより柔らかい性質があります

↑ 透明なポリアミド製のクリアブラケットの一例(トミーインターナショナル社)

 

柔らかいと聞くとあまりよくないと思われるかもしれませんが、咬み合わせによってはこの柔らかさが適することもあります。セラミックは強固ですが、強く咬み合うと破折することもあります。

 

2.クリアブラケットの「利点」まとめ

○目立ちにくい
歯色を通す透明感が、白色不透明のブラケットよりも自然に見えるケースもあります。とくにサファイア系は高い透過性が示されています。 

そのため、写真撮影の場面や人と対面する場面での違和感が少ないとされています。
機能面は通常の表側矯正と同等で、歯のコントロールの精度や適応範囲は、金属ブラケットと同様とされています。むしろ、フォースシステム(治療計画)の方が影響を受けます。

↑ 金属が見える部分が大幅に減りますので、目立ちにくくなります

↑ 白いワイヤーも併用するとより目立ちにくくできます

 

3.欠点・注意点

・ブラケットを外す時、歯面に亀裂が入ることがある(セラミックブラケット全般)
セラミックは剛性が高く破断しにくい反面、剥がす時の応力集中に注意が必要とされています。適切な手技でリスクは下げられます。 プラスティックはリスクは少なくなります。

・摩擦とワイヤー滑走性
条件により金属より摩擦が高い・同等など研究結果は分かれます。術者はワイヤー材質や結紮・スロット精度での最適化を考える必要があります。 

・材料の変形・着色(プラスチックブラケット)
長期使用で色調変化や変形が起こりうる点は注意が必要です。設計・接着材の選択で臨床使用は可能ですが、審美の安定性はセラミックが優れているとの報告が多いです。 

一方、歯にブラケットをつける際の接着剤が変色することも多く、治療経過が立ってくると透明度が下がってくることがあります。

 

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・費用
通常の金属より材料コストが高い傾向があり、価格設定は異なっていることが多いと思います。

プラスチック製のクリアブラケットはセラミックよりも安価なこともあり、安い料金プランを提示しているクリニックもあります。

 

4.よくあるご質問

Q1. 白いセラミックとクリアブラケット、見た目はどちらが自然?

A. クリアブラケットは歯の色を通すため自然に見えやすいと思われます。白系セラミックはブラケットは歯がやや黄色い方は少し違和感があるかもしれません。一方、歯とブラケットの間の接着剤は変色することがあり、当院では白いセラミックブラケットをおすすめすることが多いです。

Q2. セラミックは外すときに歯が傷むって本当?

A. セラミックブラケット金属よりエナメル損傷が起こりやすいという報告があり、適切なデボンド手技・器具選択でリスクを極力下げるようにしています。ただ、それでもプラークの沈着などで歯の質が弱くなってしまっている場合は、損傷が起きることもあります。当院ではあらかじめご了解をいただいてから、装置を接着しています。

Q3. ワイヤーの滑り(スライディング)が悪くて治療が長引く?

A.治療方法によります。ブラケットの選択・ワイヤーの選択と調整・結紮方法の選択で効率的に治療を進めることもできます。近年のブラケットは摩擦を抑えられる設計も登場しています。

 

まとめ

・クリアブラケットは目立ちにくさを重視する方に有力な選択肢です。

・セラミックのクリアブラケットは審美性と強度が高く、プラスチック系は同じように透明ですが着色への配慮が必要です。 

・最終的には、見た目・治療計画・費用のバランスを、ライフスタイルなどと合わせて決めていきましょう。

 

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